レゴは社員が1万6000人を超え、明らかに成長のフェーズが変わりました。新たな経営チームは、コミュニケーションを綿密にとりながら、役割を分担して経営にあたっていく考えです。

世界各国の拠点についてはどうですか。

パッダ:2015年から順次、世界にリージョナルハブと呼ぶ拠点を設置し、地域の統括機能をもたせています。現在はロンドン、エンフィールド(米国)、シンガポール、上海に拠点を置き、世界各国の市場に対応しています。

 グローバル化に対応するために不可欠なレゴブロックの生産体制の増強も、メドが立ちつつあります。デンマーク、ハンガリー、メキシコに加え、昨年から中国の工場も本格稼働させました。これにより、アジア地域での供給拠点が整いました。中国をはじめとするアジア地域での展開をさらに急ぎたいと考えています。現在のレゴの売り上げは、全体の7割が北米と欧州からです。

穀物を原料にブロックを試作中

持続的な成長を実現するための投資も増やしていますね。

パッダ:経営危機に陥った過去を反省し、レゴは常に長期的な視点を持って成長を考えるようになりました。ビジネスモデルはもちろんのこと、社員の働きがいや環境など、あらゆる面でサステナブルな視点が欠かせません。

 環境への対応で言えば、昨年、ブロックに使うプラスチックの原材料を、現在の石油からサステナブルな素材に変えていくプロジェクトを始めました。2030年までに、環境に負荷のかからない素材を開発することを目標に、10億クローネ(約145億円)を投資します。

 これが試作品です。原料には、麦やトウモロコシを使っています。

サステナブル素材できたレゴブロックの試作品。原料には、麦やトウモロコシが使われている。

素人目には、既に完成に近いのではないかと思いますが。

パッダ:見た目はだいぶいい感じでしょう? でも、我々にとってはまだ完成にはほど遠いんですよ。

 現在のプラスチックを置き換えるためには、色や光沢、強度などを検証する必要があります。何世代にもわたって使い続けてもブロックの品質が変わらないという条件もクリアしなければなりません。レゴは、このシンプルな形以外に、数千のエレメント(ブロックの形)がありますから、それらすべての形で条件を満たせるか、チェックしていく必要があります。

やるべきことはまだまだあるというわけですね。

パッダ:新素材を研究する研究所を本社近くに建設する計画で2019年に完成する予定です。そこに100人ほど研究者を集め、集中して開発してもらうことにしています。他の素材メーカーなどと共同で研究する考えも持っています。そうすれば、開発のコストを下げられますからね。

 おそらく、あなたのお孫さんの代には使われているようになると思いますよ(笑)。