ブランド、売り方も変革

 中でも日本市場は好調だ。東京都の臨海部に位置し、世界有数の広さを誇る「BMWグループ東京ベイ」。2月中旬の週末、ショールームの約3分の1を占めるミニの展示コーナーは、来店客でごった返していた。

 「国産ミニバンからの買い替えを検討している」(40代男性)、「BMW3シリーズから乗り換える」(50代男性)など声は様々。派生車種の拡大により「3ナンバー」のモデルが増えるなど、以前の「ミニ=小型車」といったイメージは薄れている。輸入車だけでなく日本車からの買い替えも多く、顧客層が広がっている。

 2016年は新車効果も後押しした。国内向けにターボエンジンを積んだ「クラブマン」などの新型派生車種を投入。クラブマンだけで登録車の3割程度を占めたとみられる。ただし、新車だけに目を奪われていると本質を見誤る。

 「我々は『従来のミニらしさ』から卒業した。時代に合わせて常にミニは変わり続けている」。BMW日本法人のフランソワ・ロカ・ミニ本部長はこう語る。

 2015年9月、ミニはグローバルでコーポレートアイデンティティー(CI)を変えた。それまでの「FUN(やんちゃさ)」から「本物らしさ」へ──。カタログは従来の黒を基調としたデザインの「製品紹介」から、ライフスタイル雑誌のような体裁へ変えた。

 ディーラーの内装を変え、タブレットを使った接客も始めた。日本法人では、全国の営業担当500人を対象に、一流ホテルなどを訪れて接客やブランドの考え方を学ぶ研修を初めて開いた。

 「(販売台数などの)数字が結果を示している」(ロカ本部長)。車種構成の広がりに加えて、時代に合わせたブランディングの効果が逆転につながった。

 とはいえ、両モデルの差はわずか。VW日本法人のシェア社長は「2017年は反転攻勢の年」と宣言する。「(排ガス不正の)影響が完全になくなったとは言えないが、販売店への来場者は上向いている。顧客の嗜好をもう一度理解すれば、台数は付いてくる」。今年6~7月には、欧州で発売した新型「ゴルフ」を、下半期にはEV(電気自動車)の「e-ゴルフ」を発売する予定だ。

2月23日に発表した「ミニ・クロスオーバー」

 一方のミニも2月23日、これまでで最も広い車内空間を持つ「ミニ・クロスオーバー」の発売を開始した。いずれも両ブランドの主力車種。商品はもちろん、アフターセールスなどの満足度や、ブランドの信頼性を重視する日本市場で、改めて輸入車の意義が問われる1年になる。