青少年の健全育成のために、コンビニ売り場の成人雑誌をカバーで覆う──。今年の夏に実施予定だった千葉市の事業が、関係者の同意を得られず頓挫した。老若男女が訪れる社会インフラを自任するコンビニにとって、避けられない課題となりそうだ。

(日経ビジネス2017年10月16日号より転載)

老若男女が訪れる場所で、成人向け雑誌が販売されている。堺市は表紙中央を覆うカバーを作成した(右)

 「取り組みの意義はどのチェーンにも理解してもらえたと思う。だがどう実施するかで折り合いをつけられなかった」。千葉市・健全育成課の担当者は悔しがる。今年8~9月に実施するはずだったある施策が、頓挫したからだ。

 予定していたのは、コンビニエンスストア売り場の成人向け雑誌にビニールのカバーをかぶせ、表紙の扇情的な写真やイラストが、購入客以外の目に触れにくくする取り組み。市の2017年度予算にカバーや告知ステッカー代として約39万円を計上。セブン-イレブン・ジャパンに協力を要請し、市内12店で実施する計画を立てていた。

 なぜ、実現しなかったのか。

 コンビニの主力商品は食品だ。購入客層が限られる成人雑誌は、決して売れ筋とはいえない。

 ただ、成人雑誌はそれ自体単価が高く、購入客の多くが他の商品を「ついで買い」してくれるうまみもある。食品のような厳格な消費期限がないため、在庫管理の手間も少ない。複数店舗を経営するある加盟店オーナーは、成人雑誌について「立地にもよるが絶対外せない商品」と話す。千葉市の施策は売り場から成人雑誌を排除するわけではないが、商品の顔といえる表紙を隠すことは確か。販売減を懸念する声が想定以上に多かったもようだ。