「1社で独占できる市場などない」

有明プロジェクトは物流改革も含んでいますね。

柳井:物流については「そのサービスがお客様にとってどのくらい必要なのか」をよく考えなくてはいけないと思っています。例えば、本当に注文から3時間で配送することが求められているのか、といったことです。その分のコストが価格に跳ね返りますからね。お客様のニーズをくみ取るのは一番大切なことですが、「本当に必要なのか」を精査しないまま無理難題を受け入れていくのは違うと思います。

米アマゾン・ドット・コムや米グーグルが、ユニクロの競争相手になるという指摘を以前からされています。実際にアマゾンはSPAに参入していますが、こうした会社とどう戦っていきますか。また、競合相手と比べてファーストリテイリングの強みはどこにありますか。

柳井:当然、競合することはあるでしょう。一方で、同じくらい協業することもあると思います。一つ言えることは、どこか1社だけが独占できる市場ではないということです。我々の強みは、服に関する事の全部を知っているということですね。通算で68年、このビジネスをやっているわけですから。そこに、世界中の経営者やクリエイターとの協力体制を併せ持っている。そういう企業はうち以外にはないと思っています。

 いま、僕たちは自らを変えるという大きなチャレンジをしています。変化に対して受け身で対峙すると、被害を受けることになる。でも、自ら変化を起こしていけば、それを利用することができます。例えば、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は金融業や製造業を経て、今ではネットワーク事業もこなします。それくらいの勢いで変わっていかないとダメだし、僕たちもそんな風に変わっていくと思います。