グラノーラは、一般に女性向けのイメージが強い。今後、市場を広めていくにはよりターゲットを広げていく必要がある。松本会長は「女性に続いて、今は高齢者をターゲットとして需要は増えている。その次は男性。男性に売っていくには工夫は必要で、コンビニエンスストアでヨーグルトと一緒になった商品などを出す戦略も必要だろう」と話す。

2016年4月から稼働するカルビー清原工場の増設した建屋(上)とフルグラの製造ラインの一部。原料にシロップなどを混ぜた生地をオーブンで焼き上げていく工程で、他社との違いを出すという

 カルビーは、シリアル全体の売上高について、遅くとも2019年度までには500億円まで伸ばしたい考えだ。松本会長は「2019年度には、国内のシリアル市場全体で1000億円規模になるだろう。その内訳は従来のシリアルは200億で、グラノーラは800億円規模とみている。その中でフルグラは、6割に当たる480億円は取りたい」と話す。

 今回の増産で宇都宮の工場の生産規模は年間の出荷額ベースで350億円になるが、敷地面積もこれ以上の増産体制は厳しい状況だ。現在、フルグラは宇都宮の清原工場のみで生産している。「とりあえず半年ぐらいは今回の設備の結果をみて考えないといけない。現時点での計画はない」と松本会長は話すが、将来は新たな工場の建設を検討する必要が生じる可能性がある。

 藤原事業部長は「これまではグラノーラをまず知ってもらうことが大きな目的で、トレンドで広がってきた時代だった。だが今後はグラノーラにどんな価値があり、どんなベネフィットがあるのかを伝えて、ごはんやパンと並ぶ国民食の選択肢として上がるようにするのがミッションだと思っている」と話す。

 グラノーラは、競合がひしめき合い、他社との違いを出すのが容易ではない。消費者のすそ野を広げつつ、いかに自社の商品を選んでもらうか。今後、グラノーラをより日常的な食品にしていくという課題の解決について、松本会長は「楽しみなところだ」と意欲をみせた。頭の中には、次なる手がもうあるのかもしれない。