ケーシック氏はこれまでの獲得代議員数では最下位だが、2014年に州知事に再選された際に88郡中86郡で勝利を収めたように地元では抜群の人気を誇る。加えて、保守穏健的な立ち位置や、州知事や下院議員、州議会議員を40年近く務めた経験は共和党主流派にとって理想的なキャリアだ。予備選では低空飛行を続けていたが、オハイオ州の勝利でトランプ氏に対する対抗馬として生き残った。

自身のホームグラウンドであえなく敗退

 一方、主流派の期待を集めたルビオ氏は地元フロリダ州での敗北で「終戦」を迎えた。

 上院議員に当選した2010年以降、大統領選を見据えて若きリーダーというブランドを築き上げたルビオ氏。特に、予備選が始まってからはトランプ氏の独走を止める唯一の存在として共和党主流派の期待を一身に集めた。だが、ディベートで経験不足を露呈した上に、自ら中傷合戦を仕掛けてトランプ氏に叩きのめされるなど最後は自滅した感が強い。全国での遊説を重視して地元フロリダ州を軽視したツケだが、自身のホームグラウンドで政治的に引導を渡された恥辱は想像するに余りある。

一時は主流派の期待を集めたマルコ・ルビオ上院議員だが、地元での敗北で引導を渡された格好(写真:AP/アフロ)
一時は主流派の期待を集めたマルコ・ルビオ上院議員だが、地元での敗北で引導を渡された格好(写真:AP/アフロ)

 最終的に、トランプ氏はオハイオ州でこそ敗北したが、同日予備選が開催されたイリノイ州、ノースカロライナ州、米自治領北マリアナ諸島で勝利、代議員数を積み増した(3月16日午前4時時点)。それでもオハイオ州での勝利を阻止し、トランプ氏の過半数阻止に希望をつないだという意味では、主流派も首の皮一枚でつながっている。

 なぜ共和党主流派がそこまで過半数阻止に血道を上げるのか。それは過半数を阻止しなければ、予備選におけるトランプ氏の勝利を“無効”にする奥の手が使えないからだ。

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