八郷社長「北米で2018年にEVを投入」
ホンダはFCVの発売に合わせて、インフラ面の技術開発も進めている。2014年9月には岩谷産業と共同開発したコンテナサイズの小型パッケージ水素ステーション(SHS)を埼玉県の「さいたま市東部環境センター」に設置した。
クラリティの発表会では、「作る」「使う」「つながる」というコンセプトを強調した。ホンダは4大都市圏以外の地域に向けて、SHSの販売も促進する。実際に、クラリティの発注があった自治体からの引き合いがあるという。

ホンダの八郷社長は2月に開いた会見で、2030年までに電動車の割合をグローバルで3分の2に引き上げる目標を明らかにした。EV(電気自動車)やFCVといったゼロ・エミッションが15%、PHVやHVが50%強となる。
八郷社長はPHVを主力に位置付けるが、EVとFCVの戦略の方向についても言及した。
「FCVでは今の(ガソリンエンジンの)クルマに望まれていることがだいたいできる。日本、欧州、北米が中心になる。中国がキーになるが、まだ難しい。EVは航続距離がどれくらい伸びて使い勝手がどれくらい向上するか。短い距離を走るコミューター的な乗り方になるのではないか。米国はZEV規制(販売台数の一定割合を排ガスゼロにする規制)があるので、2018年ごろからEVを投入したい。日本や欧州、中国での検討もしなければならない。FCVとEVはすみ分けが進んでくるのではないかと思っている」
電動車に関して、他社に比べ影の薄かったホンダ。FCVをようやく発売したとはいえ、「普通のクルマとして」本格普及のはまだまだ先。PHVやEVの投入時期や戦略が、電動車時代の競争力を左右することになる。
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