「クラリティ フューエルセル」を発表したホンダの八郷隆弘社長(写真:AP/アフロ)

 「その質問については(パワートレイン統括責任者の)三部(敏宏執行役員)がしっかりお答えします」

 ホンダが3月10日に開いた燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」の発表会。八郷隆弘社長は報道陣からの質問に対して、こんな台詞を何度も使った。狙いたかったのは「技術のホンダ」をきちんとアピールすることだ。

 FCVの発売という点で、ホンダはトヨタ自動車から1年以上遅れをとっている。この1年をどう取り返すのか。ホンダの戦略は、FCVを使い勝手で「普通のクルマ」にすること。そのための技術を三部氏は強調した。

 前身モデルに当たる「FCXクラリティ」と比較して、燃料電池スタックを33%小型化。独自のパッケージング技術によって、燃料電池パワートレインをボンネットの内側だけで収めた。ホンダによればこれは「世界初」の技術だ。「V6エンジンが載っている全てのクルマに、技術的には(燃料電池パワートレインが)載せられることになった。次にどのような車種に積むのが良いか、具体的にはこれからだ」(三部氏)。

 パワートレインを小型化したことで、5人乗りの室内空間と大きな荷室を確保。水素タンクを大型化したことで、一回の水素充填で750kmの走行距離を実現した(トヨタ「ミライ」は650km)。

ボンネット内に収めたクラリティの燃料電池パワートレイン

 販売価格は766万円(税込み)。国や自治体からの補助金を利用すれば、実質500万円程度で購入できる。ホンダはまず自治体や企業向けのリース販売を開始した。国内販売は年間200台を目標としている。個人向けの販売は「1年強~1年半後を考えている」(営業担当の峯川尚・専務執行役員)。

自動車未来サミット2016spring
【2016年4月11日開催】
~自動運転、電動化で変わるモビリティー~
自動運転と電動化の未来をテスラモーターズ、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダのキーマンが解説。テスラは日本法人社長が同社のイノベーションについて基調講演。トヨタ自動車や日産自動車は一線の技術者が自動運転を語る。ホンダは燃料電池車の開発責任者が登場。日経ビジネスと日経Automotiveが総力を挙げ、クルマのミライを展望。 ~詳細はこちら~。
日程 :2016年4月11日(月)10:00~17:00
会場 : 品川プリンスホテル アネックスタワー プリンスホール(東京・品川)
主催 : 日経ビジネス/日経Automotive