米コカ・コーラが日本で酎ハイ市場に参入することが分かった。酒類消費が伸び悩むなか、酎ハイ類は毎年10%前後の伸びを示す異例の商品分野だ。主力の炭酸飲料離れが進むだけに「隣の芝生」が青く見えたかもしれないが、いばらの道が待ち受ける。

(日経ビジネス2018年3月19日号より転載)

キリンの「氷結」(左)がトップの酎ハイ市場に参入する
キリンの「氷結」(左)がトップの酎ハイ市場に参入する

 「日本では『Chu-Hi』と呼ばれるカテゴリーの製品を試してみる」。日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥーニョ社長は、米コカ社のホームページ上でこう表明した。

 商品の詳細や発売時期、製造場所などは明かしていないが、競合する酒類メーカーが集めた情報によると、主力商品のコーラなどを使った酎ハイではなく、レモンサワーを展開する。アルコール度数は3種類を用意し、価格は競合する大手メーカー品よりも、若干高くなりそうだという。

 まずは九州地域で試験販売するもようで、既に一部の流通業者に向けて商品の情報提供を始めている。製造は、コカ・コーラ製品の製造販売を手掛けるコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(CCBJH)ではなく、外部に委託するとみられる。

 コカ・コーラはボトラーが全国の小売店との間に築いてきた清涼飲料の販売網を持つほか、マーケティングに投じる圧倒的な資金力が強みだ。これまでにも、お茶や缶コーヒーなど、日本コカ・コーラが独自に日本のメーカーと競り合いながら、売り場を奪ってきた成功例はある。

 しかし、今回の酎ハイ参入に対して周囲には冷ややかな見方も多い。酎ハイなどが中心の「RTD」市場は成長が続くものの、製品で大きな差を打ち出しにくく、酒類メーカーのたたき合いの状態で、稼ぐのは容易ではない。