東芝は原発バブルに期待していた(2009年当時の資料)

 2009年の東芝の資料でも原発の新規建設計画を強気に見ていた。米国では32基以上、日本では12基の新設計画があると開示している。

 「WHが米国で受注した原子炉は、2016年に運転開始する。そのときには炭素税などの導入も考えられ、今後の経済状況をにらみながら考えるようだ。WHは金融危機の影響はほとんどない」

 志賀氏は温暖化対策の観点からCO2(二酸化炭素)排出に含まれる炭素が課税対象となり、CO2を排出しない原発が相対的に有利になることも念頭に置いていた。だが、今から振り返ってみると、当時の東芝経営陣が思い描いていた原発市場の見通しは、壮大な“夢物語”と言われても仕方がないだろう。

約5万円のリムジン利用の請求書

 これはやや蛇足になるが、コスト意識の低さも指摘したい。WH本社での取材後、ペンシルベニア州にあるWHの訓練センターとWH本社の間をクルマで往復した。

 広報が手配してくれたクルマを待っていると、黒塗りの高級車が現れ、運転席からダークスーツにサングラスで決めた運転手が降りてきた。WH幹部の送迎と思ったら、筆者用だった。

 「そんな高級車は必要ない」と戸惑ったが、断わる訳にもいかない。往復2時間ほどの移動で、後日WHから請求書が届いた。425ドル(4万8500円)のリムジン代をWHに支払った。

 一般的なタクシーで十分だったが、高級リムジンが手配された。こちらへの配慮だったのかもしれないが、コスト感覚を疑わざるを得なかった。