そこで、経済財政構想小委員会メンバーを中心に集まろうと?

福田:私もあの小委員会に参加していましたが、自民の部会形式ではなく政策提言をまとめ、一応形の上である程度党としての施策や政府の政策に反映できたという成功体験があります。それに基づき、そもそも論もしっかりやっていこうというのが会議を立ち上げた大きな理由ですね。

総裁選は全く関係ない

橘慶一郎衆院議員が会長に就き、小泉さんは会長代行に。福田さんのほか、村井英樹さん、小林史明さんら小泉さんに近い議員が顔をそろえたことで、「秋の総裁選をにらんだ動き」との見方も出ていますが?

福田:あ、それは明確に否定しておきます。総裁選なんて全く関係ありません。

 先程も述べたように、目の前の問題を処理していく、答えを出していくというやり方に飽き足りない我々のような若手政治家の中では、党ではなかなか議論できないテーマに関する勉強会を立ち上げ、深く追求していこうという動きが相次いでいます。

 個々の思いを実現していくためにもこうした場作りが重要だという共通認識があり、それなら始めてみようということになったのです。

社会保障や雇用問題など中長期的なテーマを中心に論じていくのでしょうか。

福田:そうしたテーマも入ってくるのでしょうが、方向性は決めていません。目的を持ってそこへ向かって行こう、ということだと、党の部会や調査会などと変わりませんので。

 初会合で、まずはメンバー1人ひとりの問題意識を確認しました。そこで、次回からは平成時代に起きた政治改革やバブル崩壊後の不良債権問題に追われた経済状況などを踏まえながら、今どういった局面に置かれているのかといった時代背景について頭を整理しておきたいと考えています。

 そのうえで、有識者などからこの国の将来像などに関する示唆もうかがい、IT(情報技術)など技術の未来図なども考慮に入れながら中長期の視点に立った議論を深めていく。そんなイメージだろうと思っています。どこかの時点で議論の成果を提言のような形で出していくことになるでしょう。

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