四半期ごとの販売台数で米アップルが韓国サムスン電子を2年ぶりに抜き首位を奪還した。サムスンのリコールの影響が大きいものの、通期の販売台数ではいまだ1億台弱の差がある。だが注目すべきは両社よりも背後に迫る中国メーカーだ。巨大市場で存在感を高めている。

(写真=左:Rodrigo Reyes Marin/アフロ、右:写真=Bloomberg/Getty Images)

 スマートフォン(スマホ)の四半期別販売台数で米アップルが2年ぶりに首位に返り咲いた。米調査会社のガートナーによると、2016年第4四半期(10~12月)の販売台数は、アップルが7703万8900台、韓国サムスン電子が7678万2600台だった。わずか25万台強の僅差で、アップルがサムスンから首位を奪還した。

 シェア逆転の最大の要因は、昨年9月以降に表面化したサムスンのスマホ発火問題。8月に発売した「ギャラクシーノート7」は、電池の発熱、発火事故が相次ぎ、世界で250万台がリコールされ、その後もトラブルが続いたため、昨年10月には同機種の生産・販売停止に踏み切った。

敵失でシェアトップを獲得

 「アップルはリコールにより最大の恩恵を受けた」。韓国メディアがそう大きく報じたように、今回の逆転劇はまさに「敵失」だ。iPhoneの販売台数は昨年9月に発売したiPhone7が牽引して、前年同期比7.7%増、2014年と比べても3%増加した。しかし伸び率は1桁台にとどまる。カメラなどの細かな機能は向上したものの、期待されていたデザイン面での刷新がなくインパクトに欠けたためだ。

 しかも通期の販売台数で見ればまだサムスンに大きく差をつけられている。2016年の販売台数はサムスンが3億644万台、アップルが2億1600万台とその差は1億台弱。2017年はiPhone発売から10年の節目の年で、アップルは大規模なマーケティング活動を展開する。リコールや事実上のトップである李在鎔(イ・ジェヨン)氏の逮捕などでサムスンが混乱する中、間隙を突き、攻勢をかける。

 だが、世界市場における真の勝者は首位争いを繰り広げる2社ではない。台頭する中国メーカーだ。中でも、世界最大のスマホ市場である中国での勢いが止まらない。