ハイアット、ヒルトンなど計画続々

 足元の訪日外国人数が2000万人に迫り、2020年には東京オリンピックの開催も控える日本は、外資系ホテルにとって魅力的な市場だ。東京を中心に、各社が競ってホテルを建ててきたが、今、その流れが地方に向かおうとしている。マリオットと森トラストとの提携は、その象徴と言えそうだ。日本の大手デベロッパーと外資系ホテルが地方で組む例は他にもある。今年5月にサミットが開催される予定の三重県。今月、伊勢志摩国立公園内に開業した「アマネム」は、シンガポールに本拠を置く高級リゾートのアマンと、三井不動産の共同事業だ。今後も、このようなケースは増えていくと考えられる。

 外資系ホテル各社は、地方中心に日本での拠点数を増やす傾向にある。米ハイアット・ホテルズも「今後10年で10~20軒の開業を目指す」と話す。2018年に東京・銀座に日本初の新ブランド「ハイアット・セントリック」を開業予定だが、今後、金沢、神戸、広島といった地方都市にも展開していくことを検討している。ハイアット・セントリックは観光やビジネスといった、幅広い用途に活用できるホテルになるという。ハイアットもマリオット同様、多くのカード会員を持つだけに、日本に興味を持った会員を地方へ誘客できるポテンシャルは高いだろう。

 一方、リゾート地に力を入れるのは米系ホテル、ヒルトン・ワールドワイドだ。7月に那覇市内で上位クラスのホテル「ダブルツリー・バイ・ヒルトン那覇首里城」を開業する。同社として沖縄県内で、3カ所目のホテルとなる。

 地方の観光地や中核都市は、訪日客に対応できるレベルの宿泊設備がまだ少ない。「地元の資産家や有力企業が大型ホテルを運営しているが、老朽化した設備を改装する資金が足りない、後継者がいないといった理由で苦戦するところも多い」(ホテル業界関係者)という。こうしたホテルの運営を外資系が譲り受けることで拠点数を増やす流れも今後、加速していくとみられる。

 スケールメリットを生かして日本でのホテル網拡大をはかろうとする外資系ホテル各社。利用する側からすれば、よい設備とサービスに対する期待感は高まるが、日本のホテル業界にとっては脅威でもある。競争環境が厳しくなる中で、今後の国内勢の出方が注目される。