奈良県は、歴史的建造物がたくさんあり、見所の多い場所であるにも関わらず、観光環境の整備、宿泊施設の整備では遅れていた。そのため多くの観光客は奈良に宿泊せず、京都などの周辺の県に流れる傾向があった。奈良県は、この現状を打開しようと、国際ホテルの誘致を進めていた。2014年に大手不動産開発の森トラストを開発主体に選定し、森トラストがJWマリオットホテルを誘致する方向で話が進んだ。JWマリオットホテルは現在世界25カ国に展開し、日本では初進出となる。森トラストが施設を所有して、マリオット・インターナショナルが運営する形態となる。

外資系に「転換」で訪日客増加

 これとは別に、森トラストは2月に、これまで同社が運営していたホテル「ラフォーレ」の半分に当たる5施設を「マリオット」のブランドに切り替えることを発表したばかりだ。軽井沢、山中湖、修繕寺といずれも観光地にあるラフォーレが中心で、マリオットとフランチャイズチェーン(FC)契約を結び、ホテルの運営は森トラストグループが引き続き担う形となる。マリオットの名称および運営マニュアルの提供を受ける。

 森トラストが米マリオットと、ホテル事業で提携するのは、冒頭の奈良のJWマリオットホテルを含めると9軒目。森トラストにとって、すでにマリオットはホテル事業を展開するための戦略的なパートナーと言える。2013年に開業した「東京マリオットホテル」(東京・品川)も、元々は森トラストの「ラフォーレ」を替えたものだ。マリオットに転換したところ、宿泊に占める外国人比率がこれまでの2割弱から5割を超えるようになったという。