リコールで品質は生命線だと痛感
ロボットも使い続けていると精度が悪くなったり、不具合が起きたりする可能性がある。ロボットが壊れる兆候をどう見抜くのか。「いろいろなセンサーが付いていて、問題が起きたら止まります」と現場の担当者は言うが、機械は必ず壊れるものだ。センサーで動いているかどうかを判断するのではなく、問題なく動いているのかどうかを見抜く技能が現場の担当者にあるのか不安になったという。
このままでは引退できないと感じたからこそ、河合氏は製造現場における人づくりの再強化に情熱を傾けている。
2009~2010年にかけての大規模リコールでトヨタが窮地に陥ったことを今も河合氏は今も鮮明に覚えている。「リコール問題の時は会社がつぶれるんじゃないかと本気で思った。その時が一番大変で一番の危機だった。品質がいかに会社の生命線なのかを再確認した」という。
品質改善には終わりがなく、それを支える製造現場の人づくりにも終わりがない。河合氏はそう信じている。異例の抜擢人事は、ものづくりを支える現場を大事にするトヨタの姿勢を改めて際立たせた。
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