「2017年は『アクオスが再び戻ってきた』と言われる年になった」。シャープでスマートフォン事業を担当する小林繁パーソナル通信事業部長は満足げだ。その言葉通り、シャープのスマホの国内販売が好調に推移している。

 調査会社のBCNによると、2017年の国内シェアは10.4%と16年比2.8ポイント上昇。ソニーを抜いて2位となり、アンドロイドOSに限ると首位を奪還。MM総研の調査では、ガラケーを含めた携帯全体で米アップルに次ぐ12.8%と2位で、スマホに限ると16年比4ポイント上昇し、12.1%の3位となった。

「たかが名前、されど名前」

2017年末に発売したアクオスRコンパクトはシャープのフリーフォームディスプレイを採用

 好調の理由は何か。小林氏は「昨年7月のフラッグシップモデルの発売から雰囲気が変わった」と話す。フラッグシップとは昨年7月以降、大手通信会社(キャリア)を通じて発売した高級モデル「アクオスR」だ。

 シャープはこれまで、各キャリア向けに少しずつ仕様を変え、名称も違うスマホを発売してきた。それを昨春、アクオスRに統一し、新製品発表会はキャリアに先駆けて単独で実施。というのも、各メーカーの新製品がずらりと並ぶキャリアの発表会では「“ワンオブゼム”になってしまい、液晶の美しさなど特にこだわった部分が消費者に伝わらなかった」(小林氏)からだ。

 ブランドを統一することで、テレビCMなどのプロモーションの効率も向上。「消費者がテレビで見ていいと思っても、自分のキャリアにはないということが起きていた」(小林氏)。名称と仕様を統一することで混乱を防いだ。小林氏は「たかが名前、されど名前」と振り返る。

 仕様が統一されることでケースなどの周辺アクセサリーの開発も活発になり、好循環が生まれた。年末には小型版「アクオスRコンパクト」を発売、この2機種で18年3月末までに100万台の販売を見込む。