経営陣刷新し「チーム八郷」くっきり

 これらの戦略をどのような体制で進めるのか。4月以降の役員体制について八郷社長は「世代交代」を強調した。その言葉のとおり、4月および6月の人事で、経営体制を大幅に刷新する。

 日本自動車工業会の会長を務める池史彦会長を筆頭に、”番頭役”の岩村哲夫副社長、本田技術研究所の社長を兼ねる福尾幸一専務らが退任する。6月に退任する執行役員は7人。昨年の役員体制の変更と併せると、2年前の経営陣の大半が入れ替わることになり、「チーム八郷」がより明確になる。

 F1の体制も変更する。松本宜行専務が本田技術研所の社長に就任すると同時に、新設されたF1担当役員も兼ねる。

 昨年、7年ぶりに復帰したF1プロジェクトの総責任者である新井康久氏はわずか1年で交代となった。2015年シーズンは決勝での最高順位が5位。予選でも10位以下となることが多く、事前の予想通りに惨敗に終わった。新井氏は昨年の総責任者就任前に「F1の世界に住民票を移すつもりで取り組む」と長期的にコミットする構えを示していた。今回、担当役員を置き責任を明確にすることで、2016年シーズンは「背水の陣」を敷く構えだ。

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