開発体制は原点回帰も

 クルマの開発では「グローバル6極体制」と呼ぶ地域別の分業体制を進化させることや、「シビック」や「アコード」「CR-V」といった旗艦車種を強化する方針が改めて示された。

 これらは、伊東孝紳・前社長の時代から進めてきたことの延長線上にあるもの。だが過去数年、開発現場は「身の丈を超えたスピードと規模の拡大に追われ、工数と負荷が増大していた。プロセスが複雑化し、責任が不明瞭になり権限移譲ができていなかった」(八郷社長)。それが結果的に、小型車「フィット」での相次ぐリコールなどにつながったとの反省がある。

 そこで4月1日から、モデルごとに商品開発やデザインの責任者を置く体制に改める。ホンダでは新車の開発は別会社の本田技術研究所が担当するのが原則だが、事業全般を統括するホンダ本社の「四輪事業本部」との連携が欠かせない。今回の体制変更は新車の企画段階から開発の責任が研究所にあることを改めて示すもので、クルマづくりは「青山ではなく現場」という原点回帰とも言える。

 また生産面では、各地域の工場による相互補完体制をさらに進める考え方を示した。これも就任前からの既定路線だ。ただ、昨年7月時点ではカナダの工場から供給する予定だった欧州向けの次期「CR-V」を日本からの輸出に切り替え、カナダ工場は好調な北米市場に特化する計画に変更。フレキシブルな生産体制に向けた改革の成果が見え始めている。