24日当日には有料サービス「プライム」の会員向けに特別セールも実施する。普段プライム会員向けに配信しているオリジナルドラマの一部を会員外に無料配信するなど、プライム会員以外へのサービスも充実させる。

アマゾンジャパンは「プレミアムフライデーストア」を開設。お取り寄せグルメなど週末に楽しみやすい商材を前面に押し出す。
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 楽天も17日、楽天市場に「+αのプレミア感」をテーマに特集ページを開設した。合計270人に1000ポイントを付与するくじを実施など、お得感を前面に打ち出す

 大手企業でも、退社時間を早めるなど、対応が進む。サントリーホールディングスは、グループ企業の国内社員のうち5000人を対象に、24日は午後3時での退社を推奨している。システム部の社員6人は、15時半から東京都内の飲食店で会食予定。子育て中で時短勤務の女性社員も加わる。保育園への子供の迎えで夕方以降の時間確保が難しいメンバーがいる部署にとって、「普段はなかなか図れない形でのコミュニケーションを取る貴重な機会になる」(同社)という。別のチームは退社後、都内の美術館に行くことを計画している。

 住友商事は、当日を全休・午後半休取得奨励日とし、有休取得が難しい場合は、15時の退社を奨励する。ソフトバンクや日産自動車、三菱自動車も毎月末最終金曜日の午後3時退社を奨励する。

 一方、盛り上がりに乗じてイベントを打ち出す小売り・サービス各社でも、既に明暗が分かれている。「予約はゼロ件です。おそらく、今回は実施しないと思います」。そう話すのは、京都でヤマハ音楽教室を運営するJEUGIA(ジュージヤ)だ。同社が運営するミュージックサロン三条では、当日午後4時から500円で楽器体験ができるクラスを用意したが、17日時点で予約は入っていない。「形を変えて来月に備えるか、今後については未定です」と話す。

 経団連の副会長で唯一の小売り業出身、石塚邦雄・三越伊勢丹ホールディングス会長は「すぐに目に見えて売上が上がるとか、2月の個人消費がプラス何%になるということではない。継続的に地道にやることが重要」と話す。とはいえ、初回が盛り上がりに欠ければ、今後の継続も危ぶまれる。

 みずほ総合研究所によれば、旅行消費の押し上げによりプレミアムフライデーの経済効果は2195億~2637億円程度。普及が進まなかった場合、プレミアムフライデーの効果は限定的なものになるとしている。一方、普及が進展した場合は、4975億~5976億円の効果が見込めるとし、「旅行消費のみによる押し上げ効果として考えれば、この値は小さくない」とする。

 官民挙げた消費喚起の「皮算用」は、期待通りの成果を上げられるのか。あなたは今日、何をしますか?

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