「入場料は1万円近くまで上げられる」
しかし、入場者数が増えれば増えるほど、施設の拡張余地も限界に近づくといった問題が浮上してくる。東京ディズニーリゾートの入場者数はすでにキャパシティーを超えているとも言われており、「以前より混みすぎて顧客満足度が下がっているのでは」と、投資家やアナリストなどの間から指摘を受けるまでになっている。オリエンタルランドは、2014年度から2023年度までの間に計5000億円をかけてパークの面積拡張や新アトラクションの開発などに着手しているが、新エリアの開業は早くとも2017年度以降のため、当面は入場料に見合った価値を提供できるかどうかが課題となっている。
USJも、キャパシティーは1500万人との見方がある。だが、より多くの入場者を迎えることができると考えるボニエCEOは「従業員施設を移すなどすればキャパシティーは広がる。今後も大型投資を続けていきたい」と話す。2016年3月には、約100億円をかけた新アトラクション「フライング・ダイナソー」をオープン予定で、強気の戦略に打って出る。
SMBCフレンド調査センターの田中俊アナリストは「欧米のテーマパークに比べると、日本の入場料はまだ割安。東京ディズニーリゾートは1万円近くまで値上げの余地があるのでは」と、会社の強気の姿勢に一定の評価をする。
ただし「キャパシティーの限界」と「顧客満足」という問題、さらに許容される価格水準はどこにあるか、これらの要素は相互に関係し合うだけに、慎重な戦略策定が求められる。人口減時代のレジャー産業は、新規施設の開業自体がリスクと言われている。それだけに、東西の二大テーマパークが堅実な戦略を進めるのは妥当と言えるが、右肩上がりの成長をどこまで維持できるかが課題となるだろう。

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