月間販売目標2500台で「戦略車」?

 トヨタがここまで「プリウスとの違い」を打ち出すのには理由がある。プリウスPHVが売れなかった要因の一つに、通常のプリウスとの差別化に失敗したことがあるからだ。

 「お客様の立場からすると、プリウスとプリウスPHVが横に並んで売られていたときにプリウスを選ぶ。PHVは価格が高いのに、プリウスに比べて何がいいのかが明確に伝わっていなかった。ここは反省している」(内山田氏)。新型プリウスPHVの価格は、326万1600円(税込み)からで、やはりプリウス(242万9018円から)より約80万円高い。

 新形状やCFRPの活用、太陽光パネルの搭載などは、この反省を踏まえたものだが、別の理由もあると考えられる。1997年にトヨタが世界で初めてハイブリッド車を発売した時には、「圧倒的な燃費性能」という誰が見ても分かる付加価値を備えていた。

 しかし、PHVではそこまでの付加価値を訴えるのが難しい。「家庭で充電できる」「EVに比べて充電回数が少なくて済む」などのメリットはあるが、この点は他社が発売するPHVも同じ。だからこそ、さまざまな世界初の技術を投入して新規性を打ち出す必要があったのだろう。

 トヨタは新型プリウスPHVの月間販売目標を2500台とした。「初代(PHV)と比べると5倍強の目標」(吉田守孝専務役員)と胸を張るが、戦略車としては多いとは言えない数字だ。

 「ハイブリッドの次はPHV」と断言したトヨタ。まずは新型PHVの主戦場となる国内市場でどこまで販売台数を伸ばせるかが今後を占うカギとなる。

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