金融市場の動揺が続いている。2月15日の日経平均株価は終値で1万6000円台を回復したが、2015年末に比べるとなお15%ほど安い水準。弱気に傾いている投資家の姿勢を変える手段として、専門家は4つの政策対応を掲げる。ただ実現可能性が低い手も多く、実効性には疑問符が付く。

シティグループ証券の飯塚尚己チーフストラテジスト

 15日はひとまず円安・株高の動きとなったが、日経平均で2万円台、対ドルの円相場で1ドル=120円台をつけていた昨年の水準に比べると、その回復は鈍い。金融市場の動揺を抑える有効な対応は何か。シティグループ証券の飯塚尚己・日本株チーフストラテジストは、4つの手段を挙げる。

 まずは世界の主要中央銀行が、現在の金融政策を維持、またはさらに緩和的な方向に持っていくこと。具体的には日銀とECB(欧州中央銀行)がさらに金融緩和を打ち出すこと。そしてFRB(米連邦準備理事会)と英イングランド銀行が現状の金融政策を維持することだ。FRBについては、利上げを当面見送るといった対応を期待する。

ドイツの財政出動に期待

 2つ目に挙げたのが、財政余力がある各国政府による財政出動だ。一例として挙げたのがドイツと北欧諸国。これらの国は、世界のGDP(国内総生産)構成比率では合わせても1割に満たないが、政府の積極的な姿勢を見せることが、不安心理を鎮めるのに一定の効果があるとみる。

 そして3つ目が「人民元の秩序だった調整」だ。中国では3月に開催予定の全国人民代表大会(全人代)で人民元が切り下げられる可能性があるが、ここに国際社会が関与して切り下げ幅を適正にコントロールし、新興国間での通貨安競争を招かないようにする必要があると指摘する。

 最後が「中東の産油国が足並みをそろえた減産」だ。これは金融市場の不安の震源が、原油安によるものとの見解に基づく。各国の協調で原油相場が回復に向かえば、投資家の動揺も収まるとみる。

 飯塚氏は、4つの対応策のうち「主要中銀による緩和強化または維持」が、最も手を打ちやすいと挙げた。「2月下旬に開催予定のG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で議論し、合意形成もしやすい」と話す。