年初から続いている株式市場の動揺。2月11日にはダウ工業株30種平均が254ドル安の大幅下落、日経平均株価も12日に約1年4カ月ぶりに1万5000円を割り込むなど主要国の株式市場は大混乱に陥った。その背景にあるのは中国経済の変調や新興国のリセッション懸念、米国の景気減速への不安などだが、大統領選の不透明感も悪影響を与えている。

大統領が変わる年は株価も下落

 S&PキャピタルIQアンドSNLの米国株ストラテジスト、サム・ストーバル氏によれば、現職大統領の2期目最終年は株価が下落することが多いという。同氏の試算では、1944年以降、S&P500種株価指数は、2期目最終年に平均で3.3%下落していた。株価が下落している年は2期目最終年以外にない。

 2期目最終年に株価が下がるのは、次の指導者が誰になるのか、不透明感が高まるからだとストーバル氏は言う。市場が最も嫌うのは悪材料よりも不確実性だ。オバマ大統領の最終年で、今年はただでさえ市場が動揺しやすい時期。そこに、保護主義的なトランプ氏や金融規制を明言しているサンダース氏の躍進が伝えられて市場が動揺しているということだ。

 「市場が落ち着かないのは、サンダース氏がアイオワ州やニューハンプシャー州で有力な候補者ということもある。彼は極左であり、共和党には職務をこなせそうな候補者が見当たらない」。米資産運用大手ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマンCEO(最高経営責任者)は1月下旬、ウォールストリート・ジャーナルのインタビューでこう答えた。これは市場関係者に共通する見方だろう。

サウスカロライナ州では激戦必至

 それでは今後はどうなるのか。米政治専門サイトリアル・クリア・ポリティクスによれば、2月20日に共和党の予備選が実施されるサウスカロライナ州ではトランプ氏がトップを独走している。ただ、サウスカロライナ州にはアイオワ州でテッド・クルーズ上院議員を押し上げたキリスト教福音派が強く、トランプ氏とクルーズ氏で熾烈な争いが繰り広げられることは間違いない。

サウスカロライナ州では、トランプ氏と宗教保守の支持を受けるテッド・クルーズ上院議員の間で激しい戦いが予想される

 また、ニューハンプシャー州でケーシック氏が2位につけたが、これはケーシック氏がニューハンプシャー州に資金を集中投下した影響で、サウスカロライナ州、ネバダ州などにはまだ強固な支持基盤がない。ブッシュ氏にとっては、サウスカロライナ州は兄のジョージ・ブッシュ・元大統領が勝った縁起のいい場所。巻き返しの可能性は残っている。

 同様に、サウスカロライナ州や2月末に党員集会が開催されるネバダ州には黒人やヒスパニックが多く、マイノリティでの知名度が高くないサンダースは苦戦が予想されている。このように、伝統的に有力候補者を浮き彫りにするフィルター機能を果たしてきた序盤2州だが、今回の大統領選は次の展開が非常に読みづらく、過去のセオリーは通じないようだ。

 いずれにしても、この2州の結果だけで帰趨を判断することはまず不可能。3月1日のスーパーチューズデー、あるいは3月15日のフロリダ州予備選まで候補者の絞り込みは進まないかもしれない。分かっているのはただ一つ、この異例づくめの候補者選びがしばらく続くということだけだ。