RFIDの対応商品と、非対応の商品。カゴのなかに混在している場合には自動精算はできず「有人レジで買ってもらうことになる」(ローソン)。そうなると消費者は「これはRFIDに対応しているのかな」と気にしながら商品選びをしなくてはいけない。そんな面倒なことは……正直、したくない。

 こうしたハードルを乗り越えていくためには、RFIDが業界標準となり、全メーカー、全小売店を巻き込んだ取り組みに発展させる必要がある。ここで経済産業省に音頭を取ってもらいたいところだが「普及目標については今後ロードマップを策定していきたい」(流通政策課)と、現時点で力不足な印象だ。

電子タグの貼り付けマニュアル。涙ぐましいともいえるほどの手間をなくせるか。今後、業界が一致団結できるかが問われている

技術的には完成レベル

 新技術を使った流通業の効率化――。同じ文脈では、米アマゾン・ドット・コムが米シアトルで開店準備を進める次世代コンビニ「Amazon Go」が16年末から注目を集めている。特徴はレジがそもそも存在しないこと。カメラとセンサーを組み合わせて商品やお客の動きを把握し、アマゾン・ドット・コムのアカウント情報と連携して自動で支払いを済ませる。

 「あっちのほうが進んでいるんじゃないですか」。失礼ながら質問してみると、足立室長はこう話してくれた。

 「あれもすごいですよね。まだ一般客は入れませんが、それでもうちの現地社員には是非見学してきてくれと伝えています。けれど、たとえば重なりあった商品を本当に認識できるかとか、実現に向けては技術的なハードルがとても高いですよね」

 「技術的な」というのがポイントだろう。RFIDタグは技術的には完成に近いレベルにあるといえる。あとはコストや商品のパッケージをどうRFIDに対応させていくかにかかっている。それならば、実証実験だけで終わらせてはもったいない。業界の枠を超え、関係する各企業が一致団結できるかが問われている。