問題は、電子タグを全商品に取り付けることの実現可能性だ。

 電子タグの価格は「現時点で1枚10円弱」(パナソニック担当者)。単価の高い衣料品や家電製品なら10円の差は気にならないが、弁当や飲料など数十円の値引きキャンペーンがお客の消費動向を左右するコンビニでは、どう考えても現実的ではない。極端な話、「うまい棒」でも「チロルチョコ」でも、電子タグを取り付ければ10円の追加コストがかさむことになる。パナソニックは「1枚1円程度まで下げたい」というものの、時期のメドついては未定だという。

タグ取り付けは現時点で手作業

 タグの取り付けという物理的な手間もかかる。今回の実験では、店頭に並ぶ商品に全て手作業で電子タグを貼り付けている。必要な枚数のタグをそのたびに「印刷」する専用装置はあるものの、それでもかなり気の遠くなる作業といえるだろう。

現時点では、電子タグの貼り付けは人手に頼っている
実験店の駐車場には、電子タグの貼り付けにあたるスタッフのための作業スペースが用意されていた

 もちろん両社とも、ステッカー型の電子タグはあくまで暫定的な方式との位置づけだ。将来的には、現在どんな商品のパッケージにも印刷されているバーコードのように「包装の一部としてあらかじめ取り付けるなどの工夫が必要になる」(足立室長)。ただ、そのためには無数にある食品や日用品メーカーに協力してもらう必要がある。全社の工場の製造ラインに新しい機械を導入するとなれば、これも気の遠くなるような投資が求められる。