ブラジルの問題、解決してシャンパンで祝杯

減損できるものは、今のうちにやってしまうと。

岡藤:そうそう。しかも、新しい投資だって、今は焦ってやらなくてもいいと。じっくり待って、小出しにしていかないとあかんな。もちろん、社員にはやれと言ってるで。水面下では着々と進んでいる。だけど、判断は慎重にしている。

 去年は、(米国の建材販売会社)プライムソースを売却して約1000億円入ってきた。あれは去年やったからよかった。今年だったら、ファンドからあれだけのカネは出てこなかったでしょう。ブラジルだって、これからえらいことになるでと言って、(株式の約2割を保有していた鉄鉱石事業会社)ナミザの問題を解決すべく早くから取り組んできた。昨年12月には(現地の鉄鋼大手との)統合が実現し、約800億円が入ってきた。うちの担当者はみんなでもう、シャンパンで祝杯をあげよったんや。

投資の決断、撤退のタイミングが絶妙なようにも聞こえますが、とはいえ、これだけ世界経済が動揺しているのは、巨額投資をした中国の経済減速が背景にあります。大丈夫ですか。

岡藤:中国も日本もそうだけど、重厚長大産業が低迷しているのであって、3次産業はどんどん伸びている。特に、日本の商品に対する消費なんかを見ていると、今回の春節は多少下がるかも分からないと言われていても、実際はどうか。中国の国民全体の消費に対する欲望というのは、まだまだ強い。ネット販売なんか、すごいでしょう。

財閥系商社に勝つために非資源にかけてきた

 だから、我々はそこを狙っているわけですね。財閥系商社には、資源では勝てない。彼らは昔から、電力会社と組んで海外で大きな資源開発をやってきたわけ。電力会社などとの長期契約が、資源事業の後ろ盾になってきた。我々もやる気はあったけど、その昔、電力会社に相手にされなかった。だから、自分たちの主流である繊維から生活関連に進んだわけです。

 この生活関連を伸ばすには、どうしても日本から離れて中国やアジアに行かざるを得ない。これらの地域はこれからどんどん消費が伸びてくるわけで、当然、狙わないといかんわな。狙うには、そこの強力なパートナーと組もうという戦略の一環なんですね。

 財閥系商社は、資源バブルのときに大儲けした。それがはじけて、これからは資源ビジネスの難易度がもっと高くなる。もちろん、彼らは経験もあるし、きっとリスクをマネージしていくでしょう。商社というのはみんな、そういうリスクに挑戦してきたわけですから。

 我々もそうです。資源で勝負せずに、非資源の生活消費関連で、中国やアジアでちゃんと計画通りに進んできている。中国は今、景気が悪いということはあるけれども、我々は確信を持ってやっているわな。中国人の食の安心・安全に対する欲望というのはものすごく強いものがあるし、日本の商品や技術に対する憧れもあるんですな。