警鐘はファミマへの「親心」

そのやる気の向かう先が、傘下のファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(GHD)の統合、そして巨額投資をした中国最大の国営企業CITICですか。

岡藤:やはり大きいのは、商社で1番になって、それを定着させる地固めをしようというときに、大きな失敗をしないようにしないと。そういう意味で言うと、ファミリーマートとユニーの統合は、特にそうかも分からんね。これはチャンスでもあるし、リスクでもあるわけですよね。

 我々は統合には全く反対してない。というのは、僕が社長になる前からユニーの株を3%持っていたし、ファミリーマートとサークルKサンクスの統合も考えていたんです。でも、なかなかそのときはうまくいかなくて、一時的に決裂してそのままになっていた。

 ただ、今の我々の立場を例えて言うなら、親として子供に警鐘を鳴らしているということです。結婚に対してね。

 我々はファミリーマートの一番の大株主で、統合が失敗したら大変なことになるからな。もちろん、これからコンビニは店舗を増やさなければならないから、統合は千載一遇のチャンスです。これは事実です。我々もそれは認めている。

 しかし、今回一緒になるGMS(総合スーパー)を経営する難しさを過小評価していないか。そこが怖い。熱くなって結婚に前のめりになっている子供に、もっと冷静になれと言っているんです。

 イトーヨーカ堂にしてもイオンにしても、あれだけのプロがやっても経営が難しくなっている。GMSは、ビジネスモデル自身がもう、過去のものになりつつあるとも言われていますよね。我々は統合に3つの条件を出しましたが、正直、そのどれもほとんどクリアできていない。

全面的に支援、ただし、グリップは利かせる

ファミリーマートの株式を買い増すことを決め、統合新会社に対しても引き続き議決権の3分の1以上を握ります。

岡藤:投資をするなら中途半端ではなく、しっかりグリップを持たないと。しかし、追加取得には300億円強の資金が余分にいるわけですね。「伊藤忠には(小売りのことは)分からへん」なんて言わずに我々が言うことにも耳を貸して、統合までにやるべきことをやってほしい。

 もちろん、婚約したんだから親としては全面的に支援しますよ。ただし、言っておきたいのは、もし、コンビニで稼いだカネを持ち株会社経由でGMSの立て直しに使おうというようなことを考えているのなら、それはあかん。現状のままで一緒になって、頼みますわ、ではあかんわな。結婚してから内輪もめして離婚することになったら、どないする。それこそみんな傷つくわね。