「『ガスト』に、若者とヤングファミリーを取り戻す」

 すかいらーくの谷真社長兼CEO(最高経営責任者)は、2月10日、2016~18年の中期経営計画説明の席上で、こう語った。

 同日に発表した2015年12月期の業績は売上高は3511億4600万円で、営業利益278億600万円と増収増益を達成。当期利益は151億2000万円と、過去最高を達成した。しかし、谷社長の胸中は複雑だ。

 「ガスト」は、すかいらーくの現在の主力業態。多くは、かつての主力だった「すかいらーく」が業態転換したものだ。若者向けに価格を抑えた店舗として、「チーズINハンバーグ」などボリューム感のあるメニューを看板商品にしながら、拡大してきた。

 谷社長は、2015年、ガストは若い男性や若いファミリーをターゲットにお値打ち価格でボリュームのあるものを提供する業態であると改めて強調し、そのためのメニュー施策を打ってきた。だが、「施策に若者は反応せず、失敗だった。ファストフードやコンビニに流れている可能性がある」(谷社長)。

 また、ヤングファミリーへの対策として、アニメ「妖怪ウォッチ」のおまけ付きの子供向けメニューも導入したが、大きな成果は生まなかった。

 では、ヤングファミリーはどこへいっているのか。谷社長がライバル視するのは、一皿100円で提供する回転ずしだ。

 「週末に『くら寿司』や『あきんどスシロー』に行くと、若い家族連れが100円ずしをファミリーレストランとして使っている。もう一度、ガストにファミリーを取り戻すためには、もっと低価格のガストが必要だ」と谷社長は強調する。そこで、4月にはヤングファミリーにターゲットを絞ったガストを1店舗、試験的にオープンする。看板はガストのままだが、メニューを低価格に刷新する。

 ガストの平均客単価は850円。一方の100円ずしは、最近、寿司だけでなく、ラーメンやカレー、デザートも充実しており、1人当たり8皿以上食べる家族も多く、ガストよりも安く食事が済むとは限らない。それでも若い家族連れが殺到しているのは、選ぶ楽しさと安さを感じやすいことが大きいだろう。ヤングファミリー向けガストは、こうした値ごろ感がどれだけ出せるかが勝負と言えそうだ。

対象顧客を広げるも若者重視は変えず

 とはいえ安さ一辺倒で勝負できるような時代でもない。約1400店あるガストで、若者主体だったメニューを柔軟に変えて、顧客層の幅を広げる方針だ。2月末からランチメニューを全面的に刷新して、「ハンバーグ+揚げ物」というイメージから、彩ある野菜をふんだんに使ったサラダを添え、タコライスや和膳などのメニューも出す。「静岡県内で実験したところ、女性客の反応が良かった」と谷社長は話す。