Q:生活への影響は

A:一般に金利が下がれば住宅ローンが借りやすくなったり、消費者心理が改善に向かったりする効果が期待される。一方で預貯金の金利は、スズメの涙ほど。みずほ銀行は8日、異例となる2営業日連続の定期預金の金利引き下げを発表した。9日から預入期間が10年までのすべての定期預金の金利を年0.025%にする。100万円預けても、250円しか付かない計算になる。

 とはいえ、株安・円高で個人マネーは有利な投資先を見出せずにいる。当面は低すぎる金利を覚悟の上で、銀行の預貯金にマネーが滞留し続ける可能性がある。

 さらに、馬渕氏が指摘するような「金融の縮小均衡」が起きれば、個人は資産防衛に走ろうと、一層、預貯金にお金を溜め込もうとするだろう。消費は停滞し、企業業績が悪化。さらに賃金や設備投資も滞る「負のスパイラル」が懸念されている。

Q:金融市場の混乱が収束に向かう条件は

A:市場心理が落ち着くのには時間がかかりそうだ。野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストが注目しているのが「恐怖指数」だ。

 将来の株価や変動性を予想する「オプション」の価格などから算出するが、その値は投資家心理の目安として知られている。日経平均の場合、大阪取引所に上場するオプション価格を基に、今後1カ月の予想変動率(年換算)を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」が目安となる。

 この値は昨年末に19.47だったのが、9日は42.47まで跳ね上がった。端的に言えば、日経平均が上下に40%以上振れる可能性を示唆している。一方で、上場企業は2016年3月期も増収増益を維持する可能性が高い。伊藤氏は「外部環境が変わらない中で、リスクが2倍になったため、損失を抑えようと投資家は日本株の持ち高を半減させる必要に迫られている」という。

 不安な市場心理が売りを加速する構図で、日経平均は一段と下落する可能性もある。

Q:日銀は次の一手を打つのか

A:3月にかけて重要日程が目白押しで、日銀にとどまらず各国が政策協調を打ち出せるかが焦点だ。

 2月26、27日は20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議が中国・上海で開かれる。3月に入ると政治日程が目白押しで、1日は米大統領選予備選のヤマ場「スーパーチュースデー」、5日は中国の国会に相当する全国人民代表大会だ。14、15日に日銀政策決定会合、相前後してFOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB(欧州中央銀行)理事会も予定されている。

 現時点で日銀が即座に動くと考える市場関係者は少数派だが、米国が「年4回」としていた利上げペースを落とすのか、ECBが追加緩和を進めるのかが焦点になりそうだ。投資家心理が一方向に振れやすい局面だけに、プラスの材料が出れば株高・円安に再び傾く可能性もある。