ユニーの人事については、伊藤忠側から、総合スーパー(GMS)の苦境を招いたのはユニーのひとなのだから、経営統合後も取締役として残るのはいかがなものかという声もあがっていました。今回、事業会社ユニーの取締役でユニー出身者が3人退任します(上席執行役員として残る)。

上田:けれど、佐古さん(続投)はじめ現在のユニーの経営陣は、経営統合を推進した立場です。しかも佐古社長が率いる体制になってから統合まで1年ちょっとでしたから。これまでの負の遺産の責任を佐古さんたちに求めるのは少し酷だと思います。

 実際、佐古さんたちは負の遺産を経営統合前に清算しましょうよということで、あれだけの大きな減損を計上しましたよね。

お話を聞いていると、上田さんのなかにははっきりした理由や、経緯があって、今回の退任を決断されたように思います。それなら何故、退任の理由を「一身上の都合」にしたのでしょう。やはり、あの理由は不可解です。

上田:いや、これはまったく一身上の都合ですから。

たとえば「経営の若返りのため」とか書きようはあったのでは。

上田:なんにもないです。僕の一身上の都合ですよ。まあ退任理由が一身上の都合というのは、一般的には何かスキャンダルがあるか、経営不振の責任をとるとか、あるいは重大な疾病があるときとかですかね。

 だけど、これまでの(延長戦を戦っていたとか)そういうことをダラダラと発表文に書くわけにもいかないじゃないですか。だから「まあいいか」って思って。まあ、あとから「もう体の調子が悪いんですか」とか「ゆっくりお休みください」とかいろんなメールはいただきましたけどね。「伊藤忠との軋轢でやめさせられたのですか」みたいな連絡も来ましたね。

なかなかストレートな表現ですね。

上田:いやいや、本当に全くそういうことはないですよ。したがって、やっぱり一身上の都合と。自分自身の都合なんです。

2月3日に発表してからは、伊藤忠の岡藤さんとは話をされたのでしょうか。

上田:いや、まったく。全然。お互いに前から決めておることだから。

撮影:都築 雅人
撮影:都築 雅人

川下から、川中・川上を変えていく

コンビニ業界を改めて眺めてみると、三菱商事の子会社になるローソンがあり、伊藤忠色が強まるファミリーマートがある。一方でセブンイレブンのように、原則として独自で事業展開しようとする存在もある。将来、どのように変わっていくのでしょうか。

上田:現状では、商社系じゃないセブンイレブンが圧倒的に強いという状況ですよね。これは揺るぎない事実です。それに比較すると、商社系はセブンイレブンに追いつくのにはまだまだ差がある。商社が入ることによって、セブンに追随して差を縮めていけるかどうか、というのがこれからの課題でしょう。

これまで商社がやってきたこととは違う関わり方が必要になると。

上田:伝統的に「商社に小売りが分かるか」「商社の感覚じゃ小売りはできっこない」と言われてきました。これをいかに払拭するかです。ある意味、伊藤忠だって三菱商事だって、実力を試されているわけです。

 商社はもともと、産地の「川上」から卸の「川中」については握ってきたけれど、(消費者と接する)「川下」は持っていなかった。食料が最後に流れるのは川下なんだから、小売りに直接経営参加するという流れになったわけです。だけど、その一番川下に成長性がないとか、市場が縮んでいくのでは身も蓋もない話。だから、やはりここを強化していかないといけない。

ただ、それはあくまで商社がいかに儲けるかという話で、消費者にとってのメリットは見えにくい。

上田:だからこそ、川下である我々が、(商社の持つ)川上と川中の機能を使っていかないといけないということになりますね。お客さんと接しているからこそ、川中・川上に対して何を要求するのかが大切になります。ミドリムシを使った健康食品とか、フィットネス事業のRIZAPグループと提携しての商品開発というのは、川下の目線で川中や川上を動かした好例といえるでしょう。ああいう例を増やしていきたい。これはお客さんにとってもメリットになると思います。

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