ユニーと統合する前から、上田さんの後任は伊藤忠から来るのが必然になっていたと。

上田:そうですね。

高柳さん以外にも候補は複数人いたとおっしゃっていました。やはり伊藤忠の人なのでしょうか。

上田:もちろん中山くんのことも候補としては検討しましたよ。ただ中山くんは今回ファミリーマート社長としてユニーとの統合を公式的に進めてきたわけです。すると、まだ事業会社に対しての責任もある。事業会社ファミリーマートの社長職は澤田(貴司)くんに譲ったけど、やっぱり後見人は必要ですよね。

 一方で、HDの副社長としてユニー側との関係構築も担当してもらわないといけない。それで今度ユニーの取締役にもなります。そんななかでHDの社長となると、ちょっと任務が重すぎるねえ、と。まあ色々ね、理由はあったわけですよ。内幕の話をしたらね、候補ひとりひとりに事情があるわけですよ。そのなかで、伊藤忠の食料カンパニートップである高柳さんを選んだわけです。

高柳氏(右)は「社長人事は10日前に知った」と話した(2月3日、東京・豊島)=撮影:的野 弘路
高柳氏(右)は「社長人事は10日前に知った」と話した(2月3日、東京・豊島)=撮影:的野 弘路

店舗ブランド転換の前倒しにメド

新会社が走り出す道筋がついた段階でやめたいと考えていた、とおっしゃいますが、まだ発足から5カ月です。昨年9月と現在とで、具体的に何か変わったのですか。

上田:ファミリーマートとサークルKサンクスの統合は、当初2年半で終える計画でした。それが、いまでは1年ほど前倒しできるメドが立っています。ユニー側も、統合の合意ができた段階で相当の構造改革を進めて、来年度以降は完全に黒字転換もできそう。いま、グループとして4カ年の中期経営計画を策定しているわけですが、この半年間で相当なエネルギーを割いて、実行・実現可能なものがまとまりつつある。

 この計画のうち、少なくとも前期の2年については、どういう手段、どういう方法、どういう戦術でやっていけるかが出来上がってきたと。「道筋が見えてきた」というのは、こういうことを指すんです。

「道筋をつける」というのは、中計をまとめあげることを指すのでは。中計をまとめてからの退任のほうが良かったのではないですか。

上田:けれど中計を発表するのは、これからを担うひとの責務だから。もう辞めていくひとが言ったってねえ。もちろん実現には大変な困難もあるかもしれないけれど、まあなんとかやりこなせるだろうというところまで来ているんです。

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