国内のワイン市場は順調に拡大している
●ワイン消費量の推移
注:国税庁まとめ。2015年はメルシャン推定

 こうした状況のなか、チリワインを巡る大手メーカーの動きは一段と活発になっている。

 2012年からチリワインのブランド「サンタ・ヘレナ アルパカ」(750ミリリットルで店頭想定価格は税別630~1080円)を扱うアサヒビールは、家庭用・業務用とも営業を強化し、2015年の同ブランドの販売量は前年比2.8倍の101万ケース(1ケースは750ミリリットルで12本換算)に伸ばした。動物のアルパカのデザインをあしらったパッケージや、まろやかな味わいが特徴。昨年12月からは大手中華料理チェーンでの提供を始め、「餃子を食べながらワイン」と提案している。

 最大手のメルシャンが目指すのは、販売数量拡大とともに価格帯別の品ぞろえの強化だ。3月8日からチリの名門ワイナリー、コンチャ・イ・トロ社が製造する「カッシェロ・デル・ディアブロ」ブランドから3商品(同税抜1900~2450円)を発売する。豊かな香りの白ワインやタンニンと酸のバランスが取れた赤ワインなどを展開し、ブランド全体で10万ケース(同)の販売を目指す。

メルシャンは中高価格帯の「カッシェロ・デル・ディアブロ」シリーズ(左)を投入。アサヒビールは動物のイラストが特色の「サンタ・ヘレナ アルパカ」ブランド(右)を拡販する。

 発売する3商品はいずれもチリワインとしては比較的高めだが、横山清社長は「価格競争が厳しい低価格帯よりも中高価格帯は伸びが大きく、幅広い価格帯で品質の高い商品をそろえることが重要になる」と自信を見せる。アサヒも今後、中価格帯の新ブランドを導入する考えだ。

 サントリーワインインターナショナルも昨年9月に売り出した「サンタ・バイ・サンタ・カロリーナ」などチリワインは好調で、取り扱いを順次増やしていく計画という。ワインの楽しみ方が多様化するなかで、「安い割に美味しい」というだけでないチリワインの魅力をいかに伝えるかが、各社の腕の見せ所となる。