これまでLINEは、既存メディアの公式アカウントによるニュース配信を許可していなかったが、昨年12月に戦略を転換。「LINEアカウントメディア プラットフォーム」を開始した。各メディアのアカウントを友だち追加のように「購読」すると、逐次、トーク画面にニュースがプッシュされる仕組みだ。

 ユーザーは、約40媒体(2016年1月末時点)から配信元を選ぶことが可能で、朝日新聞など大手新聞社や大手出版社、ネットニュースなどが含まれる。この購読者数が、公開後わずか37日で1000万人を突破した。これも、LINEがこれまで自社媒体として育ててきた「LINE NEWS」の利用者数に含めることとし、全体の数字を大幅に拡大させた。出澤社長は言う。

 「我々は、ニュースも含めてスマホのアプリをやり尽くしている。その中で、例えば『ゲーム』はアプリの方が絶対いいと思うんですけれど、情報の配信に関しては、『LINE』本体に入れ込んだり、トークにうまく乗せたりした方がいいものもあるのではないかと。アプリはダウンロードが面倒で、提供側からするとコストも掛かりますから」

 「そういう意味では、ニュースはまさに後者。LINE内でのニュース配信を始めると、初日で大手出版社のアカウントの購読者数が一気に40万までいった。40万人分のメールアドレスを収集したり、会員登録をしてもらうというのは、普通で考えると大変なこと。それが1日にしてできる。やっぱり、LINEのアドバンテージはすごく大きい。結果として、『スマホのニュースはLINE NEWSが一番便利だよね』という状況になるのではないかと、手応えを感じています」

今春に周辺サービスの「大再編」を計画

 LINE本体とのシナジー効果を見せつけた2つの新規サービス。一方、eコマースの「LINE MALL」や、定額音楽配信の「LINE MUSIC」など、LINE本体やトーク画面とのシナジーを発揮しきれていない周辺サービスもある。そうしたものも含めて、LINEは今年、「春の大再編」を計画していると、出澤社長は明かした。

 「今年は引き続き、プラットフォーム化の推進を頑張ります。春くらいに、プラットフォームとしての結構大きな再編をする予定なんですけれども、そこが一番重要かなと思っていて。LINE NEWSのような、アカウントでつながっていく取り組みを、さらに進化させたようなことが出てくるので、そこが勝負かなと思います」

 メッセンジャーアプリの利用者数では、世界の巨人にかなわない。米フェイスブック傘下の「WhatsApp(ワッツアップ)」の月間利用者数は、今年2月1日、10億人を突破した。昨年12月末から2億人も上乗せしている。対して、LINEは約2億1500万人(2015年末時点)。だが、「プラットフォーム化」「メッセンジャーを起点としたエコシステム」という観点では、LINEに一日の長がある。そこを突破口とした春の大再編が、反撃の狼煙となるかもしれない。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。