AKB48や志村けんなど、地上波テレビでも活躍するタレントを積極的に起用。テレビをなぞった番組作りをしているようにも思えるが、LINE黎明期から成長戦略の中心にいた舛田淳取締役は、それを否定する。

 「いつでも、どこでも好きなコンテンツを見られるオンデマンド型が進み、コンテンツって、楽しむ時間がどんどん、ばらばらになっているんですね。いわゆる“体験の断絶化”というか、個別化というか。それを何とかしたいと思っていた」

LINEの舛田淳取締役。LINEのプラットフォーム化戦略の要だ(写真:陶山 勉)
LINEの舛田淳取締役。LINEのプラットフォーム化戦略の要だ(写真:陶山 勉)

 「なので、コンテンツの作り方で言うと、いわゆるテレビ的なオンデマンドでも相性が良さそうなフォーマットは合わないんです。私も番組の編成に全部入って、いろいろ試すのですが、テレビ的な番組の作り方は、やっぱり反応が悪い。テレビ番組のマネやパロディーをする気はなくて、スマートフォンの中でみんなが一斉に見るとしたらどんなコンテンツがいいのかを常に考えている。ある種、新しいメディア作りに挑戦している状況です」

 今後の戦略としては、「既存メディアとの連携」「独自スターの誕生」を挙げた。前者は、年末のレコード大賞と連動した番組のような試み。「テレビを観る」「ラジオを聴く」といったライブの体験をみんなでスマホ上で共有したくなるような番組を増やしていくと、舛田取締役は話す。「今後は、例えば既存の放送局さんなどと広告を共通で販売していきましょう、という取り組みも出てくる」。

 後者のスター誕生については、著名人だけではなく、「ユーチューバー」のようなネットならではのスターが生まれることも望んでいるとする。「いつものように、段階的に門戸を開いていく」。

「LINE NEWS」は「打倒ヤフー」

 一方、昨年12月に、既存メディアとの連携を強化したニュース配信サービス「LINE NEWS」も絶好調だ。LINEのトーク画面に公式アカウントからニュース通知が送られてくる機能を、新聞社やテレビ局、出版社など外部の既存メディアにも解放。これが奏功し、2015年12月の月間利用者数は2200万人を突破した。

左は「LINE NEWS」の購読先を選ぶ画面。購読すると、トーク画面にニュースが配信される(右)。いずれも、LINE本体の機能
左は「LINE NEWS」の購読先を選ぶ画面。購読すると、トーク画面にニュースが配信される(右)。いずれも、LINE本体の機能
[画像のクリックで拡大表示]

 スマートフォンの普及とともに、「スマートニュース」や「グノシー」といった新手のニュース配信アプリが次々と登場。まさに百花繚乱だが、LINEはこれらを敵とはみなしていない。ターゲットは明確。舛田取締役は「打倒ヤフー(ニュース)です」と言い切る。

次ページ 今春に周辺サービスの「大再編」を計画