ゲームを開発・運営する会社として脚光を浴びるナイアンティック社だが、ハンケCEOは自社の事業内容を必ずしもゲームに限定するわけではない。

 「私たちのゴールは、AR(拡張現実)を活用したいろいろなアプリケーションやサービスを生み出すための技術的な基盤(プラットフォーム)を提供する会社になる、ということです。ゲームはそのスタートに過ぎません。ゲームで培った技術を、将来的には旅行やショッピング、あるいは恋人とのデートでも使えるようなARプラットフォームの開発につなげていきたいのです」

 ハンケCEOが注目するのが小売業。「消費者は、せっかく店まで足を運んでも売り場にはネットでも買える商品が並ぶ光景に、飽き飽きしています」

 ARを使えば、商品について店側が客に伝えられる情報の量が飛躍的に増える。商品はどこからやってきたのか、職人が手作りしたのか、工場で生産されたものなのか。あるいは素材は環境に優しいものなのか……。買い物が「モノを入手する行為」から「モノにまつわるストーリーを学ぶ体験」になる。

 しかも、ARのメリットをより自然な形で体感できる専用端末が普及すれば、わざわざ冊子をめくったりQRコードにスマホをかざしたりしなくても、情報はごく自然に脳内へと伝わってくるようになる。

<span class="fontBold">ジョン・ハンケ(John Hanke)氏</span><br /><span class="fontBold">米ナイアンティック CEO</span><br />1966年生まれ、米テキサス州オースティン出身。89年テキサス大学オースティン校を卒業、米国務省に入省。ワシントンやミャンマーでの勤務を経て退職、94年にカリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクールへ。在学中から複数のスタートアップ経営に参画する。96年にMBA取得。2000年に衛星写真と地図をリンクさせるサービスを手がけるキーホール社を共同設立。04年、同社がグーグルに買収されると、地理サービス部門でグーグルマップやグーグルアース、グーグルストリートビューの立ち上げを率いる。11年に社内スタートアップとしてナイアンティック・ラボを設立。15年8月に独立し、現職。(撮影:北山宏一)
ジョン・ハンケ(John Hanke)氏
米ナイアンティック CEO
1966年生まれ、米テキサス州オースティン出身。89年テキサス大学オースティン校を卒業、米国務省に入省。ワシントンやミャンマーでの勤務を経て退職、94年にカリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクールへ。在学中から複数のスタートアップ経営に参画する。96年にMBA取得。2000年に衛星写真と地図をリンクさせるサービスを手がけるキーホール社を共同設立。04年、同社がグーグルに買収されると、地理サービス部門でグーグルマップやグーグルアース、グーグルストリートビューの立ち上げを率いる。11年に社内スタートアップとしてナイアンティック・ラボを設立。15年8月に独立し、現職。(撮影:北山宏一)

フェイスブックもアップルも追随

 ハンケCEOによると、ポケモンGOのロングヒットの理由はゲームそのものの楽しさ以上に、ゲームを通じてプレーヤーの身の回りの現実世界がより彩り豊かなものになった点にあった。同じ文脈で、ARを使えば、より簡単、より自然な形で、現実世界にデジタルの彩り(付加価値)をもたらすことができる。

 「ポケモンGOがヒットしたことで、フェイスブックもアップルもグーグルも、ARの活用について本格的に語りだすようになった」とハンケCEO。ポケモンGOの生みの親、あるいはAR技術の父として、これからもIT業界のキーパーソンであり続けることは間違いないといえるだろう。

 インタビューの全文を、有料会員向けの日経ビジネスDIGITALの「『本当のARとは』ポケモンGOの父に聞く」に掲載します。現実世界とデジタルの世界の垣根を低くしていく取り組み、ビジネスに生かすにはVRよりARのほうが可能性が大きい理由、ARデバイスの未来などについてのハンケ氏の考えをお読みください。(日経ビジネスオンライン会員の方は無料ポイントでお読みいただけます)

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。