民泊解禁となっても、喜ぶのは業者ばかり

 ところが、日本で動き始めた不動産業者が主導する民泊はこうした新しい需要の掘り起こしにはつながらないだろう。ホストファミリーとの交流体験などは期待できず、単なる宿泊場所の提供にとどまれば、ホテルなど既存の宿泊施設と直接競合することになる。それでは、価格競争につながる可能性が高い。

 さらに、不動産価格の上昇につながる懸念もある。海外でも、パリやバルセロナでは、業者が民泊のために不動産を買い漁った結果、不動産価格が上昇するという問題が深刻化している。

 現状、旅館業法に抵触した形で日本に広がりつつある民泊。政府も重い腰を上げて解禁に向けたルール作りを始めている。ただ、現在、民泊の解禁は旅館業法の規制を緩和した許可制になりそうだ。

 ただ、一般市民が民泊の許認可を取るのはハードルが高い。このままでは「民泊解禁」と言っておきながら、日本では参入するのは業者ばかりということになりかねない。海外でも企業が手掛ける民泊はあるが、個人宅に泊まれる民泊も充実している点が日本とは異なる。

 そもそも、民泊はなんのためにやるのか。民間企業が宿泊事業に乗り出したければ、従来からある旅館業法に則るべきとの指摘もある。ホテル不足を補うための代替手段としてしか利用できなければ、せっかくの市場拡大のチャンスを逃すことになりかねない。