楽天は27日、国内のITスタートアップ企業に投資するベンチャー・ファンド「楽天ベンチャーズ・ジャパン・ファンド」を新設すると発表した。運用資産額は100億円で、全額、楽天が出資する。シンガポールに本拠を置く海外向け投資ファンド、楽天ベンチャーズが運営するが、日本に担当者を常駐させ、世界に通用する有望なスタートアップ企業を発掘する。

 投資対象はアーリーステージやグロースステージにあるIT・ネットのスタートアップ企業。人工知能(AI)、ビッグデータ解析、EC(電子商取引)などの先端分野が中心になるとみられる。楽天ベンチャーズのマネージング・パートナー、サエミン・アン氏とホーギル・ドー氏が運用を担当する。

 無料通話サービスのバイバー、ECのキャッシュバックサービスを手がけるイーベイツなど、楽天が持つグローバルな事業インフラを使い、日本発のスタートアップを世界市場に押し出す狙いもある。

 資金繰りや会社経営に関わる雑務を楽天グループが肩代わりすることで起業家が技術開発に専念できる環境を作り、2年~3年でのエグジット(株式上場や他社への売却)を目指す。

 楽天ベンチャーズはこれまで海外スタートアップへの投資を専門としてきた。ファンドの規模は100億円で、これまでに米国4社、東南アジア4社、韓国1社の計9社に投資している。この数年は国内でも起業の機運が盛り上がり、将来有望なスタートアップ企業が増えてきたため「日本にフォーカスしたファンドが必要」(三木谷浩史会長兼社長)と判断した。