ロッテなどと競争激化へ

 2014年10月に、免税商品の対象が化粧品や医薬品などにも広がった結果、日本の免税店ビジネスは大きく飛躍した。今や、TAX FREEと呼ばれる国内における免税店舗数は約2万店まで増えた。 一方、DUTY FREEの空港型免税店に関しては、沖縄を除いてこれまで市中に進出することはなかった。しかし「2015年の訪日外国人が1970万人超となった今、多様な買い物需要にも対応していかなければならない」と米本氏は話す。

顧客は受け付けでパスポートなどを提示する。

 日本では、これまで韓国や欧米のような市中免税店がなかった。空港免税店の顧客は日本人が中心で、市中に免税店が進出する必要がなかったからだ。しかし、為替の円安傾向や景気低迷の影響で日本人の海外旅行需要は以前に比べて減少した。代わって台頭してきたのが中国人をはじめとする外国人観光客だ。外国人観光客は、空港では買い物する時間をたっぷり取れないケースが多い。市内に滞在中でもゆっくり買い物する時間が欲しいというニーズは少なからずあるはず。空港型の免税店がここにきて市中に進出するのは、このような背景もあると考えられる。

 三越伊勢丹は、今後銀座のみならず、福岡・天神にある福岡三越でも福岡空港ビルディング、西日本鉄道と合弁会社を設立して、市中免税店を開店する予定だ。銀座のみならず、外国人が多く訪れる場所で、市中免税店が広がることが予想される

 3月31日には、銀座四丁目からさほど遠くない数寄屋橋交差点前にオープンする「東急プラザ銀座」に、韓国資本のロッテが運営する市中免税店がオープンする。市中免税をめぐる外国人争奪戦は、これから本格化すると言えるだろう。