「うまくタッグを組めれば最強だったはず」
一方、佐野氏についても、その手腕を評価する向きは多い。佐野氏について、ある元クックパッド社員はこう評する。「食に対する愛と知見、自身のサービスに関する思い入れがものすごい強い人。その”熱血漢”で皆を引っ張っていく。どちらが正しいというのではなく、穐田さんとは経営手法や哲学が全く違い、今回は異種格闘技戦をやるようなものだ」。
今回の”お家騒動”は、企業を成長させる”手段”としての経営手法の違いを、株主に問いたいという結論になったに過ぎないともいえる。
言うなればもともと経営スタイルにおいて「水と油」とも言える2人。「うまくタッグを組めれば最強だったはず」(元クックパッド社員)の2人が騒動を起こしたことは、同社にとって大きなダメージになるだろう。
佐野氏を慕っていた社員の多くはすでに同社を離れ、現在は穐田氏を支持する社員が多く在籍する。
佐野氏が社長として返り咲いたとしても、穐田氏が広げた事業や社員への混乱は計り知れないだろう。一方、佐野氏が株主提案を引き下げるなど、現状の経営体制が続くことになったとしても企業イメージへの悪化は避けられない。主要事業の成長や穐田氏の経営手腕は、市場からこれまで以上に厳しい目で見られるのは間違いない。
クックパッドという超優良企業の行く末が大きく揺らいでいる。
記事掲載当初、本文中で「会員事業は増加率こそ鈍化してはいるものの、売り上げは大幅に減ってはいない」としていましたが、「会員事業は有料のプレミアム会員の増加率こそ鈍化してはいるものの、売り上げや利益は順調に伸びている」に修正します。本文は修正済みです [2016/01/25 14:45]
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