パナソニックは1月19日、家庭用コーヒー焙煎機の販売を軸にしたコーヒー事業「ザ・ロースト」を4月に始めると発表した。焙煎機の販売のほか、コーヒーの生豆を毎月配送するサービスも手掛ける。

パナソニックはコーヒー豆を家庭で焙煎できる「The Roast」を発売する(写真中央)。焙煎したコーヒー豆はハンドドリップかコーヒーメーカーで抽出して楽しむ

 コーヒー愛好家はこれまで、専門店などで焙煎した豆を購入し、自宅で抽出していた。コーヒーにこだわりがある消費者が増えてきたことから、パナソニックは家庭用の焙煎機の需要があると判断した。

 価格は10万円(税抜き)だ。あくまでも焙煎機能のみで、焙煎後の豆を挽いてドリップしなければ、コーヒーは飲めない。加えて3種類の生豆を毎月買うには月額5500円(同)がかかる。生豆はコーヒー輸入商社の石光商事と提携し、毎月焙煎機の購入者へ届ける。

 パナソニックはハードの販売に加え、豆の売り上げで定期的な売り上げを確保する。ザ・ロースト事業で初年度2億5000万円の売り上げを見込む。

スマホで最適な焙煎方法を伝送

 ザ・ロースト事業は、IoT(モノのインターネット)を活用した新規事業の一環だ。パナソニックアプライアンス社事業開発センターの岩井利明所長は「コーヒーと同様に、売り切りではない食に関する事業をやりたい。2025年には事業全体で売り上げ100億円を目指す」と意気込む。

 コーヒーの専門店では、「焙煎士」と呼ばれる人が焙煎機を秒単位で調整することで狙った味を作り出す。一般消費者が家庭で、コーヒー豆を焙煎することは難しかった。パナソニックが発売するスマートコーヒー焙煎機は、焙煎士が考えた焙煎方法をスマートフォンの専用アプリで再現できる。

焙煎機とスマートフォンをブルートゥースでつなぎ、専用アプリで焙煎方法を選ぶ。焙煎士が考案した焙煎方法を家庭で再現できる

 コーヒー焙煎の世界大会で優勝した豆香洞(福岡県)の後藤直紀氏が作成した焙煎プログラムを専用アプリで配布する。スマホと焙煎機をブルートゥースで通信することで、焙煎士と同じような焙煎が自動で再現できるという。毎月提供する生豆ごとに、深煎りや浅煎りといった数種類の焙煎プログラムを提供していく。