「個性的で高品質な商品によって、消費の動きにスピード感を持って対応することが必要だ」。1月6日に開かれたアサヒビールの年初事業方針発表会で、小路明善社長はこう強調した。主力の「スーパードライ」ブランドの販売量が2015年に前年比2.1%減となった同社は、今年ビールのテコ入れが大きな課題となる。

 そこで、3月23日にビールの大型新商品として発売するのが「アサヒ ザ・ドリーム」(店頭想定価格は350mlで税込225円前後)だ。「究極のコクキレ」と銘打ち、麦芽の使用比率を通常の1.2倍に高めるとともに、独自の酵母管理技術で発酵度を高めることによりコクのある味わいと爽快なキレ味を実現した。さらに、糖質は50%オフとし、消費者の健康志向にも対応した。

 発泡酒や第三のビールではプリン体や糖質をカットした機能系商品は多いが、ビールでは珍しい。アサヒはテレビCMなどにラグビー日本代表の五郎丸歩選手を起用、早期に400万ケースの販売を目指す。

アサヒは糖質50%オフの「アサヒ ザ・ドリーム」(左)で健康志向を取り込み、キリンは「一番搾り」(右)で地域密着を打ち出す
アサヒは糖質50%オフの「アサヒ ザ・ドリーム」(左)で健康志向を取り込み、キリンは「一番搾り」(右)で地域密着を打ち出す

 2015年のビール販売量が実に21年ぶりにプラスとなったキリンビールは、前年比4.2%増となった「一番搾り」ブランドに今年も注力する方針だ。5~10月にかけては全国47都道府県ごとに味の違いをもたせた47種類の一番搾りを製造・販売する計画で、「メガブランドでも地域密着」の姿勢を打ち出す。クラフトビール「よなよなエール」を手がけるヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)との連携も強化し、クラフトビールの浸透も図る。

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