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 コカ・コーラボトラーズジャパン(東京・港)が、4月1日から出荷する清涼飲料の大型ペットボトル商品を値上げする。消費増税分の反映以外の値上げとしては27年ぶり。物流費や原材料の高騰を受けた措置だが、競合他社からは「敵ながらあっぱれ」との声も聞かれる。そのワケとは。

 「コカ・コーラ」や「綾鷹」など主力飲料のメーカー希望小売価格を20円引き上げる。だが、すべての商品というわけではない。値上げの対象は1.5~2リットル入りの商品だけ。コンビニエンスストアなどでおなじみの500ミリリットル入りの商品は対象外となっている。ここに「コカは苦渋の決断をした」(飲料業界関係者)との見方が広がる。

値上げの対象商品は大型ペットボトル商品だ。

 業界関係者によれば、「メーカーにもよるが、販売数量の半分近くは500ミリリットル入りの商品」という。つまり、コカは物流費や原材料費が高騰し、コスト高になる中で、主力商品では値上げを避けたともいえる。

 なぜ、大型品に限定したのか。背景にあるのは、清涼飲料市場での競争激化だ。同市場でシェア1位はコカだが、同2位のサントリー食品インターナショナルが「サントリー南アルプスの天然水」ブランドで出した炭酸飲料や、ペットボトルコーヒー「クラフトボス」のヒットで猛追している。対するコカは缶コーヒー「ジョージア」や大型ペットボトル商品「森の水だより」などが苦戦している。

 こうした中で値上げをすれば、シェア争いで不利になりかねない。かといってコカにとって価格を据え置くことも難しい。物流費や原材料の高騰だけでなく、西日本の集中豪雨で工場が被災したことを受けて、業績が悪化しているからだ。コカは2018年12月期の業績予想を下方修正している。

 サントリーホールディングスの新浪剛史社長は今回の「本命」を避けたコカの値上げ策にこうコメントした。「敵ながらあっぱれ。尊敬に値する」。コカはシェア低下を食い止めながら、収益改善に結び付けられるか。これからが勝負だ。