米国が唯一の武器販売国

 台湾の民意は、中台関係という現実の上に、二大政党への支持を往復しながらバランスを取り続けてきた。以下に、両岸史年表を掲げる。

[写真=背景(国旗):Getty Images、蒋経国を除いて人物:Fujifotos/アフロ、Reuters/AFLO、ロイター/アフロ]

 近年、中台間の緊張が最も高まったのは1995年。李登輝(リーデンフイ)総統(当時)の両岸関係に関する認識を巡って中国が猛反発し、台湾近海を標的とするミサイル演習や大規模な三軍上陸演習を予告し、また実施した。

 これを抑えたのは米国だった。空母2隻を含む機動部隊を台湾海峡に派遣し、中国を牽制した。米国は79年に中国と国交を結ぶ際に台湾と断交しているものの、同年、事実上の軍事同盟である「台湾関係法」を施行し、以後も台湾への武器販売を続けている。

 だが2000年代、台湾海峡の景色は一変した。中台関係を決する鍵は、既に米国から中国の手に渡っている。

 特に中台接近の動きが加速し始めたのは2005年前後。下野していた台湾野党・国民党と、台湾独立の志向が強い台湾与党・民進党を黙殺していた中国共産党の思惑が一致し、国共両党は急接近した。

 両党の戦略は明確だ。すなわち、「政治」で乗り越えられなかった断絶を「経済」で一体化させる──。国民党が政権復帰してから、この動きは台湾政府の基本方針となった。