タテガミに悶絶

 首の後ろ部分というのでしょうか、タテガミの付け根の部分の脂身を出す店はいくらでもあります。しかしどこで食べても美味しいと思ったことはありません。ほとんど脂を食べている様な、文字通りの珍味です。

 ですがこちらのは全くものが違います。しっかりと繊維質があリ、歯応えも味もしっかりしているのです。うーん、これはいったいどういうことだ。

こちらが噂の平山峰吉氏。馬肉にかぎらず、海苔からコメから醤油から、すべての食材にこだわり抜いています。求道者のような雰囲気です。

 私がタテガミは脂身みたいなものだからなぁ…と呟くと。すかさず平山氏が「他の店のはね」と。

 多くの店がタテガミとして供しているのは単なる脂身である可能性が高いそうです。店自体がそうと知らずに仕入れているケースも少なくないのだとか。生産者としっかり向かい合い、コンタクトをとり続けて強固な仕入れのラインを構築しなければ、超貴重部位であるタテガミがそう簡単に入手できるはずがない、と。

 屠畜される馬の量に対して、市中に溢れるタテガミは明らかに多すぎるとのこと。例のカツ事件もそうですが、料理しちゃえば分かりませんからね。いや食は楽しくも恐ろしい産業です。

駆け足で行きましょう。こちらは焼き物。馬のシャトーブリアンをアーモンドで包んであります。焼き具合も完璧です。肉はピザを焼くような石窯で焼いています。
こちらはハラミですね。牛とはまた違う。野趣溢れる味わいです。

 牛肉は牛の個体ごとに等級が付けられますが、馬は同じ個体でも部位ごとで等級が異なるのだそうです。そして屠畜は所謂屠場に持っていくのではなく、生産者自らが行うことが多いのだとか。

 ちなみに一昨年の年間屠畜頭数は日本全国で1万3592頭です。少ないからこそ出来るのでしょうね。

こちらはチョウチンと呼ばれる皮下脂肪の一枚裏側の部分。ああ天国の美味。

 簡単に入れるお店ではありませんが、何とか知り合いを辿って行ってみてください。

 馬肉に対する概念が根底から覆されます。ああ今日も美味しゅうございました。