同窓会は楽しいものだ。「久しぶり」「最近、何してんの?」と近況報告に花が咲き、その後は思い出話に突入する。しかし、問題はそこから先。話題が一周すると、なんとなく間が持たなくなることもある。
そこでおすすめしたいのがプレゼンだ。別の言葉で表現すれば余興である。誰かが、ビジネスの現場では当たり前の、スライドを用いステージを歩き回るプレゼンの型を借りて、その場を盛り上げるのだ。プレゼンは歌や踊りやモノマネといった余興とは違い、ビジネスパーソンなら誰でも身につけているスキルとされているから、特訓は必要ないはずだ。必ずや同窓会を盛り上げる起爆剤になるし、今後のプレゼンの勉強にもなる。かといって、四角四面and/or自慢めいたプレゼンはせっかくの同窓会に水を差す。
5月中旬の金曜、かつてクリスマスの週末明けのチェックアウト時にはカップルが長蛇の列をなしたとの伝説があるホテルの跡地にそびえるオフィスビルで、WBS成毛組!の同窓会が開催された。WBSとは早稲田大学大学院経営管理研究科のことであり、成毛組!とは、過去16年、早稲田大学客員教授としての成毛眞の講義を受講した強者の総称だ。この講義からは『情熱の仕事学』という本まで生まれているのだがそれはさておき、のべの受講生の数はかなり多く、同じ場所で飲むだけでは一体感が得られない恐れがある。また、ただの同窓会では、参加者がプレミアムでもないフライデーにそれなりに早く会社を出る口実探しに苦労する、などの問題が生じることも考えられる。
The 1st OBAKA PRESENTATION BATTLE 2017
そこで参加者に大義名分とエンタテインメントを提供すべく、「OPB2017」の開催が決まった。OPB2017とは、The 1st OBAKA PRESENTATION BATTLE 2017のこと。これは、プレゼンターが、(1)いかにおバカで、(2)いかにおもしろい話をするかを競う、プライドと社会的立場を賭けた前代未聞の真剣勝負だ。おバカ、おもしろいとはすなわち、オーディエンスの好奇心と探究心を駆り立てることを意味している。オーディエンスの投票によって選ばれる最優秀プレゼンターには、成毛と知人のオンラインメディア編集長との飲み会への参加権というお金じゃ買えないプライスレスな栄誉が与えられる。
19時、会は厳かにスタートした。はずが、三々五々、集まった人たちがご歓談という名の雑談を繰り広げている。手にはそれぞれ、アサヒスーパードライ、アサヒThe Dream、キリン一番搾り、キリン氷結各種の缶。メインイベントであるOPB2017のオープニングまでにほどよく血中アルコール濃度を高める努力を誰一人として怠っていない。



30分ほどすると、仕事終わりのビジネスパーソンの集いらしく黒、紺、白の服を着た人が多いなかで、鮮やかなピンクのコットンセーターを着た成毛が、総合司会でHONZメンバーでもあるK松S子から受けたマイクを握り「私の学長就任パーティへようこそ」とオープニングスピーチを開始した。今回の同窓会開催に至った理由、OPB2017の意義などを、前説よろしく笑いをとりながら手短に説明し、ここで乾杯。再びしばしのご歓談の後に、ついにOPB2017の火ぶたが切って落とされる。






OPB2017のプレゼンターは4名。いずれもWBS成毛組!で自ら名乗り出た文字通り馬鹿者たちである。おバカ、おもしろい以外にはなんのテーマも与えられていない彼らが、7分間の持ち時間を思う存分に使う。
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