放送では割愛したが、美空ひばりの関係者が、彼女について、こんな証言をしていた。紅白歌合戦に出場するとき、彼女はいつも対戦相手を気にしていた――。

女王は、負けるわけにはいかない

 たしかに紅白歌“合戦”は、紅組と白組とが戦う歌謡番組で、対戦相手として敵組の歌手を設定してはいるが、おそらくは歌う側も見る側も、それを特に意識はしない。ただ、美空ひばりは自分の敵に、強い対抗意識を燃やしていた。

 それだけ負けず嫌いだった彼女が、最後のコンサートでは、観客の前で、ステージに用意された椅子に腰掛けている。そうすることと、舞台に立たないことと、どちらが負けなのかを考えての判断だったのだろう。やっぱり美空ひばりは「すごい」歌手だった。

 久保が美空ひばりのCDを家でBGMとして流していると、娘は「美空ひばりw」と笑い、隣に住んでいる父親は「おお、やっと良さを理解したか」と言わんばかりにご満悦だ。父親には対抗意識もある。俺の方が、ひばりの“すごさ”をより理解しているんだと。

 その美空ひばりと、ジャクリーン・オナシス・ケネディ、エマニエル夫人を演じたシルビア・クリステルを取り上げた回をまとめて、9月21日水曜21時からのアナザーストーリーズで放送する。(敬称略)