宇宙開発競争が激しかったこの時代には、別の争いも繰り広げられていた。

 ベトナム戦線は、1965年に米軍が上陸したことで拡大した。また60年代は、日本でも海外でも学生運動が盛んな時期だった。こういった人と人との争いには、どちらの立場にも大義名分がある。

 では宇宙人の側には、地球を侵略する言い分はないのだろうか。

「本当の侵略者」は誰なのか

 満田は金城の前でこんな話をしたことを覚えている。

 「我々人間っていうのは、本当に最初から地球人だったのかね」

 すると金城は「なんかおもろしそうなのができそうだ」という言葉を残して帰宅し、3日ほどして脚本を仕上げてきた。それが第42話『ノンマルトの使者』だった。

 『ノンマルトの使者』では、ノンマルトなる者たちが海底開発の基地を攻撃する。そのノンマルトについて、アンヌ隊員が謎の少年にこんな風に問いかけるシーンがある。

「ノンマルトって何なの?」
「本当の地球人さ」
「地球人?」
「ずっとずっと大昔、人間より前に地球に住んでいたのさ。人間は今では自分たちが地球人だと思ってるけど、本当は侵略者なんだ」
「人間が地球の侵略者ですって? まさか・・・まさか・・・」

 それを知ったダンは、怪獣と戦っていたウルトラマンにはなかった悩みを抱える。どちらの言い分が正当なのか、自分はウルトラセブンとなって、地球と人類を守るため、このノンマルトと戦うべきなのか?

 ウルトラセブンは、目に見える敵とだけ戦っていたわけではなかった。その深みが、ウルトラマンシリーズを見て育ち、その後、さまざまな経験を積んだ大人に「シリーズで一番好きなのはウルトラセブン」と言わせるのではないだろうか。

ウルトラセブン49話中、最多の14話を手がけた満田かずほ監督
主役のモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さん