ご存じの方には常識だが、ウルトラセブンはそれまでのウルトラマンと、ちょっと違う。ウルトラマンは身長40メートルで固定だが、ウルトラセブンは40メートルの時もあれば、人間サイズの時もあり、手のひらに乗る大きさのこともあるという具合に可変だ。それに、敵も違う。

ファッション誌を参考に「次の段階」へ

 金城は当時の企画書にこう書いている。

 《我々は過去の仕事で怪獣ブームの先鞭を担いましたがブームに安住してはいられません。一歩でも次の段階に進みたい》

 その次の段階が、宇宙だった。

 人類初の宇宙飛行士ガガーリンが「地球は青かった」と言ったのは1961年、人類が初めて月面に立ったのは1969年。米ソ間で宇宙開発競争が繰り広げられていたことが、1967年10月に放送が始まったウルトラセブンにも強く影響を与えている。

 それもあって、ウルトラ警備隊の敵は怪獣から、地球侵略を目論む知性ある宇宙人に変わったのだが、この地球外生命体がどんなルックスをしているか、台本には記述がなかった。ビジュアルは美術担当者にすべてお任せなのだ。

 26歳の池谷は、任されたデザインをするにあたって「文明のあるところから来ている宇宙人が多い」ことを強く意識していた。

 たとえば、第8話『狙われた街』に登場するメトロン星人は、人間の信頼関係を崩すことで侵略を進めようと目論むほどの知略派だ。

 だから「この動物とこの動物の何かを組み合わせてみて、というのはグロテスクになるだけと思って、避けました」。

 生き物図鑑ではなくファッション誌を参考にし、数々のユニークな宇宙人を生んでいった。

個性的な宇宙人を数々デザインした池谷仙克さん