『時効スクープ』をお読みいただいている皆さん、遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

 当コラムの元になっているNHK-BSプレミアム『アナザーストーリーズ』。2017年は総集編からスタートします。

 1月11日21時からは「天才たち 誕生の裏側SP」と題して、これまで放送した中から、田中角栄編スティーブ・ジョブズ編渥美清編を再編集してお送りします。どうぞご覧ください。

過去に「鮮度」はあるか

 アナザーストーリーズのプロデューサーとなってから半年が過ぎました。前任から引き継ぐことになり、最初に考えたのは、「過去の話との向き合い方」でした。

 僕は以前、『プロジェクトX~挑戦者たち~』という番組を担当していて、過去の話ばかり取材していた時期があるので、「同じ向き合い方はしたくない」と考えていました。

 遠い過去に起きたこと、散々扱われてきたテーマ。そこに“新しさ”はあるのか?

 やってみて得られた答えは「ある」でした。

 まず、多くの番組で扱ってきた「過去」は、昭和30~40年代が中心でした。

 この時期は、今に至る日本の骨格が作られた高度経済成長期。多くの巨大プロジェクトが進められていたので、当然のことと言えるでしょう。東京タワー、黒四ダム、新幹線。これまで私たちが振り返ってきた過去は、大きなハードがたくさん作られていた過去なのです。

 対して、アナザーストーリーズの扱う過去は幅広い。例えば、タイタニックのように100年以上前の話も取り上げます。

 ただ最近、特に個人的に注目しているのは、1980年代の日本です。現在につながる流行や文化、例えば漫才ブームだったり面白いテレビCMだったりが続々と登場してくるのです。ひょっとすると、オイルショックからバブル絶頂までの間は、日本のソフトの骨格が作られた時期なんじゃないか、ということを思ったりします。しかも、意外と「掘られていない」のです。