当社は既存の銀行が使っていない情報を用いて、顧客の信用力を測っています。そのため、既存の銀行からは融資を受けられなかったような企業でも、当社からなら融資を受けられる可能性があります。

 顧客のデータは融資をした後も継続的に収集して、信用力をチェックし続けます。こうすることで、顧客に対してより大きな金額を融資したり、顧客の返済スケジュールを調整したりできるようになります。

 当社は顧客の資産ではなく、顧客のビジネスの継続性を重視しています。始めたばかりで資産が少ない企業でも、継続性の高いビジネスをしていると判断すれば融資します。これが既存の銀行と当社が大きく異なる点です。

個人向け融資はネットの情報を使わず

 当社は中小企業向けの融資だけでなく、「Karrot」というブランドで消費者向けの融資も提供しています。消費者向けの場合は、銀行口座のデータを主に使用して融資を審査しています。消費者向けの融資に関しては様々な規制があるため、銀行口座以外のデータは審査に使用できないためです。

顧客企業の信用力を測る審査アルゴリズムは、どのようなものでしょうか。「機械学習」は使っていますか。

 はい。当社の機械学習を利用しています。またそれ以外の、従来からある統計学的な手法も使用しています。当社の審査アルゴリズムの「モデル」は、数千個以上の変数を含んでいています。

アルゴリズム審査のようなアイデアは、どこから来たのでしょうか。

写真2●米アトランタにあるKabbage本社が入居するビル
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 参考にしたのは、AmazonやeBayのようなEC事業者です。EC事業者は、ECサイトで販売される商品が偽造品だったり盗難品だったりしないか確認するために、出店者に関する様々な種類の情報を集めて分析しています。EC事業者が商品のリスクを算出する手法を、企業の信用力の算出に応用できると考えました。

融資の利率や、実績などを教えてください。

 2015年は15万件以上の融資を実施し、融資総額はおよそ10億ドルに達します。金利は信用力や返済期間に応じて年12%~数十%まで変動し、平均的な金利は年30%台半ばです。

年率で見た金利はかなり高いように感じます。

 当社の融資は、中小企業の運転資金需要をターゲットとしたもので、返済期間はは6カ月~12カ月が中心です。短期の融資は1年以上の長期の融資に比べて、年率で見た金利が高くなる傾向があります。